促成アスパラガス栽培の1年半株養成法


[要約]
促成アスパラガス栽培の1年半株養成法は、1年株および2年株養成法に比べ、省力的な株養成法であり、茎枯病の発生が少なく、促成栽培における収量で1年株養成法および2年株養成法に優る。

[キーワード]アスパラガス、促成栽培、1年半株養成

[担当]群馬農技セ・中山間地園芸研究センター
[連絡先]電話0278-22-3358
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 2年株養成法は、株養成期間が長いため茎枯病の発生が多く、休眠覚醒が遅れることから収量が不安定であり、群馬県内では年々栽培面積が減少している。1年株養成法は、茎枯病の発生が少なく、休眠覚醒が早いことから収量が安定し、群馬県内において30%程度普及している。しかし、この株養成法は、育苗に施設や労力がかかるため、導入に踏みきれない生産者も多い。そこで、1年株養成法の育苗時の労力を省力化し、2年株養成法より養成期間を短縮化した促成アスパラガス栽培の1年半株養成法を開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 1年半株養成法では、8月上旬には種、9月中旬に苗定植、翌年の12月に根株の掘り取り作業を行う。掘り取った根株は、直ちに促成床に伏せ込むことで、1月からの若茎収穫が可能である(図1)。
2. 本株養成法は、1年株養成法と異なり、2次育苗を必要としない。また、2年株養成法に比べ、2年目の春における根株の掘り取り・株分け・定植作業がなく、省力的である。さらに、夏季の育苗のため、温床を必要としない(図1)。
3. 1年株養成法および2年株養成法に比べ、本株養成法は、根株が充実する。促成栽培におけるL級以上の上位規格収量および総収量で優る(表1図2)。
4. 茎枯病の発病は、1年株養成法と同様に少ない(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 9月上旬までに収穫が終わる野菜や作物の後作に、この株養成法は最適である。
2. 本株養成法は、伏せ込み促成栽培について適応される。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:地域適応野菜の安定生産技術確立試験
予算区分:県単
研究期間:2002〜2006年度
研究担当者:小泉丈晴、須永文雄

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