栽培期間延長と外葉除去によるチンゲンサイの硝酸イオン含量低減化


[要約]
チンゲンサイの土耕栽培において、慣行より2〜5日間栽培期間を延長し、収穫調製時に硝酸イオン含量の高い外葉を3〜4枚除去することで、調整重を確保しつつ硝酸イオン含量を低減化できる。

[キーワード]チンゲンサイ、硝酸イオン含量、栽培期間延長、収穫調製

[担当]静岡農試・生物工学部
[連絡先]電話0538-36-1558
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 チンゲンサイの連作産地では、作物体硝酸イオン含量適正化のための具体的手法が求められている。ここでは収穫調製時の硝酸イオン含量を低減化するため、チンゲンサイの葉位および部位別硝酸イオン含量を明らかにするとともに、栽培期間の延長により調整重を確保しつつ外葉の除去枚数を多くした場合の硝酸イオンおよび内容成分を測定し、硝酸イオン低減化のための基礎知見とする。

[成果の内容・特徴]
1. 硝酸イオン含量は、葉身部よりも葉柄部で高く、いずれの部位も外葉が高く、内葉になるに従い急激に低くなる傾向がある。アスコルビン酸含量は、葉身部では内葉ほど高くなる傾向があるが、葉柄部では大きな差がみられない。全糖含量は、葉身・葉柄部ともに、内葉ほど高くなる傾向がある(図1)。
2. 栽培期間を慣行栽培より2〜5日間延長し、外葉を3〜4枚除去する収穫調製により、出荷規格の調整重が確保され、株当たりの硝酸イオン含量は低下する。特に葉身部において、硝酸イオン含量は大きく減少し、アスコルビン酸含量および全糖含量は増加する(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 具体的な延長期間は、作期により異なることが予想されるため、作物体硝酸塩含量のリアルタイム診断値などの現場における診断結果と組み合わせて決める必要がある。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:光・温度等環境影響の解明に基づいたリアルタイム診断によるチンゲンサイ、サラダナ等の硝酸含量低減化
予算区分:国補(高度化)
研究期間:2002〜2004年
研究担当者:大場聖司、荒川博

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