秋冬どり根深ネギの平床挿し苗栽培における生育特性


[要約]
秋冬取り作型における根深ネギの平床挿し苗栽培は慣行溝植え栽培より、11月以降の窒素の吸収量が多く、収穫期の生育は優れる。また、根は畝上部に多く分布し、総根量も多い。

[キーワード]ネギ、平床栽培、生育特性

[担当]埼玉農総研・園芸研究所・野菜花担当、露地野菜担当、生産環境担当
[代表連絡先]電話:0480-21-1113
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  埼玉県における平成17年度のネギの作付面積は、2,140haであり、全国2位の主要な生産県である。近年、産地では平らな畑にネギ苗を垂直に挿して定植するネギ平床挿し苗栽培法(以下、平床栽培)が普及しつつある。しかし、平床栽培法についてはその生育特性が明確になっていない。そこで、慣行の溝植え栽培と比較した場合の平床栽培における根深ネギの生育特性を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 草丈は、平床栽培と溝植え栽培で栽培期間を通して大きな差はみられない(図1)。調整1株重は、10月までは溝植え栽培の方が平床栽培よりも優れ、11月以降は平床栽培が優れる(図1)。
2. 同一施肥条件下での、吸肥特性調査では、11月以降、溝植え栽培よりも平床栽培で窒素の吸収量が多い(図2)。
3. 根量は、平床栽培が溝植え栽培よりも多く、根の分布は、平床栽培は畝上部に多く、溝植え栽培では畝下部に多い(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 根深ネギの平床栽培における栽培管理の参考資料として活用できる。


[具体的データ]

図1 栽培方式とネギの生育様相
図2 栽培方式と窒素吸収量 図3 栽培方式による根の量と分布

[その他]
研究課題名:ネギの平床栽培法の省力・高位生産化技術の開発
予算区分:高度化事業
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:中畝誠、岩崎泰史、武田正人、関口明男、岡安正

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