粗揉機のフッ素樹脂加工による茶渋除去作業時間の短縮


[要約]
粗揉機の揉み手へら及び竹だくをフッ素樹脂加工することにより、茶渋の除去作業時間を6分の1程度に短縮でき、荒茶品質への影響も小さい。

[キーワード]チャ、製茶機械、粗揉機、フッ素樹脂、茶渋

[担当]静岡茶試・製茶新製品研究
[代表連絡先]電話:0548-27-2311
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  茶の製造に際し、葉打機や粗揉機内部に茶渋が付着すると、揉み手圧や竹だくとの間隔が変化し製茶条件が変わるため、1日に1回から2回の茶渋除去作業が行われている。この作業に要する時間は、機械の大型化にともない増加していることから、簡単に除去する方法が求められている。そこで、フッ素樹脂加工した揉み手へら及び竹だくを使用することによる茶渋除去作業軽減効果を明らかにし、荒茶品質への影響について調査する。

[成果の内容・特徴]
1. フッ素樹脂加工した揉み手へら及び竹だくを使用することで茶渋の除去作業時間を標準に比べ6分の1程度に削減できる(表1)。
2. 粒度は大きくなる傾向があり(表2)、歩留まりは向上する(表3)。
3. 荒茶品質への影響は色沢に赤みが出るためやや劣るが、内質(香気、水色、滋味)への影響は小さい(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 揉み手へらに付着した茶渋片は粗揉工程中に落下して茶葉に混入するが、乾燥後に既存の分別工程で除去できる。
2. フッ素樹脂加工した粗揉機では無処理の従来機と乾燥程度が異なるため、茶葉に適した条件に設定し使用する。
3. フッ素樹脂加工した揉み手へら及び竹だくは、市販されているものを使用した。


[具体的データ]

表1 茶渋除去にかかる作業時間及び除去茶渋量(60K粗揉機)
表2 荒茶の粒度(mm)
表3 荒茶の歩留まり
表4  3点識別及び3点嗜好法による識別可否1)

[その他]
研究課題名:製茶機内における茶渋除去方法の開発
予算区分:県単
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:勝野剛

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