ヒマワリのコンバイン収穫における頭部損失低減技術 |
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[要約] |
コンバインによるヒマワリ収穫作業における頭部損失は、標準装備のリール式ヘッダでは35%発生するが、引き起こし型ヘッダでは3%、櫛型ヘッダでは13%に低減できる。 |
[キーワード]ヒマワリ、コンバイン、頭部損失、引き起こし型ヘッダ、櫛型ヘッダ |
[担当]中央農研・バイオマス資源循環研究チーム
[代表連絡先]電話:029-838-8909
[区分]共通基盤・バイオマス、関東東海北陸農業・作業技術
[分類]技術・参考 |
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[背景・ねらい] |
軽油に代替する燃料として植物油を原料とするバイオディーゼル燃料への関心が高まっており、国内で生産可能な植物油としてヒマワリが注目されている。しかし、安定的な栽培および収穫技術は確立されておらず、とくに収穫作業では損失が多く問題となっている。ヒマワリの頭部損失の発生要因は、花の位置が高いためリールでの掻き込みが不十分となり前方へ落下したり、倒伏によってリールのアームとデバイダの間から側方へ落下することなどが報告されている。 そこで、頭部損失が少ないヒマワリのコンバイン収穫技術を開発する。
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[成果の内容・特徴] |
1. |
試作したヒマワリ用引き起こし型ヘッダは、引き起こし装置、ガード、延長デバイダ等で構成している(図1)。引き起こし装置は、大豆用2条刈りロークロップヘッダで、条間60〜75cmに調節可能である。側方および運転席側への花托落下を防止するため、高さ600mmのガードを設置する。また、側方へ倒伏した茎の収集範囲を拡大するため、デバイダ先端の開きを750mmに延長する。 |
2. |
試作した櫛型ヘッダは、リール式ヘッダ、ツース等で構成している(図2)。ツースは大豆用リフタで、長さ300mm、150mm間隔で設置している。リールでの掻き込みが不十分で前方へ飛び出した花托をツースによって受け、プラットフォームオーガへ供給する。ツースは切断部の受刃の先端から延長しており、10分程度で取り付けることができる。 |
3. |
標準装備のリール式ヘッダの頭部損失は35%(20%)であるが、試作した引き起こし型ヘッダでは3%(2%)、櫛型ヘッダでは13%(6%)に低減できる(()内は標準偏差、図3・図4)。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
引き起こし型ヘッダは頭部損失低減効果が高いが、櫛型ヘッダのツース(約3万円/1本)と比較して高価(約150万円)であることから、コスト等を考慮し適切なヘッダを選択する必要がある。 |
2. |
倒伏や茎稈の損傷により花托が地面に接しているヒマワリは収穫できない。 |
3. |
刈り取ったヒマワリの茎の長さが100cmを超えるとチェーンコンベア入口付近で詰まりが発生し、著しく作業性が低下する。 |
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[具体的データ]
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[その他] |
研究課題名:温暖地における油糧作物を導入したバイオマス資源地域循環システムの構築
課題ID:411-c
予算区分:交付金プロ(油糧作物)、交付金
研究期間:2005〜2007年度
研究担当者:梅田直円、谷脇憲、富樫辰志、小林有一、竹倉憲弘、加藤仁、金井源太、松崎守夫
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