小明渠浅耕播種機の作溝用サイドディスクの最適取付角度


[要約]
小明渠浅耕播種機の作溝用サイドディスクの取付角度を、現行の25°から20°にすることによって、ディスク背面の摩擦抵抗を発生させることなく、ディスク破損の要因となるけん引抵抗を2〜4割低減できる。

[キーワード]小明渠、浅耕、サイドディスク、けん引抵抗

[担当]中央農研・水田輪作研究東海サブチーム
[代表連絡先]電話:059-268-4610
[区分]共通基盤・作業技術、共通基盤・総合研究(輪作)、関東東海北陸・作業技術
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  小明渠浅耕播種機(成果情報2004)は、水田における大豆・麦栽培において湿害を軽減させつつ大幅な省力作業ができることから東海地域で普及が拡大しつつある。しかし、不適切な作業条件(推奨範囲外の作溝深さや作業速度)で播種作業を行うと、小明渠作溝用サイドディスクが破損する場合がある。そこで、サイドディスクの破損防止と耐久性の向上を図るために、ディスクに作用する負荷(けん引抵抗)を低減する方法を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. けん引負荷を低減させるために、サイドディスクの取付角度(円板角)を現行の25°から20°および15°にすると、切削断面積(投影面積)が2および4割減少する(図1)。
2. 作溝作業時のけん引抵抗の平均値(平均けん引抵抗)は、20°よりも15°のほうが相対的に大きくなる(図2)。これは、取付角度19.2°以下では、作溝時にディスクの背面が土壌と接触し摩擦抵抗が発生するためである(図1)。
3. 取付角度15°および25°では、土壌硬度が増加すると平均けん引抵抗が顕著に増加するが、20°では土壌硬度の影響は相対的に小さい(図2)。
4. 作業速度0.6〜1.0m/sの範囲において、平均けん引抵抗は取付角度25°が最も大きく15°、20°の順に小さくなる(図3)。
5. 作溝深の増加に伴って平均けん引抵抗は直線的に増加するが、取付角度を25°から20°にすることによってその傾きを小さくでき、作溝深7〜12cmでは平均けん引抵抗を2〜4割低減できる(図4)。
6. 排水試験(注3)を行ったところ、降雨80mm、12時間後の畦中央部表層の体積含水率は、取付角度25°で28%、20°で31%、15°で41%となり20°と25°の差は相対的に小さい。

[成果の活用面・留意点]
1. 小明渠作溝部の耐久性向上のための基礎資料となる。
2. 取付角度20°は、現在使用しているサイドディスク(M社 NSD400-LXR08)に対応するものであり、異なる形状(直径、曲率半径)については検討が必要である。
3. サイドディスクの取付角度20°用の部品は受注生産でメーカから入手可能である。


[具体的データ]

図1 サイドディスクの取付角度と切削断面積の関係
図2 取付角度による平均けん引抵抗の比較 図3 作業速度と平均けん引抵抗の関係
図4 作溝深と平均けん引抵抗の関係

[その他]
研究課題名:関東・東海地域における高生産生水田輪作システムの確立
課題ID:211-k
予算区分:基盤、委託プロ(担い手)
研究期間:2006〜2007年度
研究担当者:深見公一郎、渡辺輝夫、増田欣也

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