不断給餌による誘導換羽法の処理期間が産卵性・卵質に及ぼす影響


[要約]
採卵鶏における不断給餌による誘導換羽を行う場合、産卵率は処理期間が9日間では100週齢を超えると14、19日間処理に比べ低下する。日産卵量、飼料要求率、卵殻重比には処理期間による差がなく、ハウユニットは19日間が9日間より高い。

[キーワード]ニワトリ、誘導換羽、卵質

[担当]愛知農総試・畜産研究部・家きんグループ
[代表連絡先]電話:0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  採卵鶏の産卵後期の産卵性と卵質を改善するため、長期絶食による強制換羽処理が行われているが、近年、鶏に優しくリスクの少ない方法として絶食を伴わない誘導換羽法が開発されている。しかし誘導換羽法では、処理開始後の体重はいったん減少した後、開始前と同等、もしくはやや増加するため、体重の減少率だけで適切な処理期間を判断することはできない。そこで処理期間の違いが産卵性及び卵質に与える影響を検討する。

[成果の内容・特徴]
  白色レグホーン種を用い、成鶏飼料を不断給餌し続ける無処理区、従来の強制換羽法を行う絶食区、ふすま主体換羽用飼料(ふすま97.3%、その他2.7%、CP15.3%、ME1,917kcal/kg、)を9、14、19日間不断給餌する区をそれぞれ28羽×3反復で試験する。処理は68週齢に行う。
1. 体重は9、14、19日区いずれも処理7日目まで減少を続け、その後はほぼ一定となる(図1)。絶食区の体重減少率27%に対し、9、14、19日区はそれぞれ17、18、18%と小さい。
2. 絶食区、9、14、19日区いずれも処理開始後5〜6日目にほぼ産卵が停止し、処理中はわずかに産卵が認められる。いずれの誘導換羽法も無処理に比べ、処理後の産卵回復効果がある。9日間の短期処理では100週齢を超えると14、19日間処理に比べ産卵率が低下する(図2)。
3. 9、14、19日区、絶食区の日産卵量は無処理区と比較して差は見られなかった。飼料要求率は19日区が無処理区と比較して優れる傾向にあり、経済性に優れるが、処理期間の違いによる差は見られない(表1)。
4. 誘導換羽の処理期間は19日間が9日間より、ハウユニットが高い(表2)。卵殻重比は処理期間の違いによる差は見られない。

[成果の活用面・留意点]
1. 気温が高い時期はエネルギー要求量が少なくなるので、誘導換羽の効果を高めるため、制限給餌を組合せ、摂取エネルギーを抑制する必要がある。
2. 消費者の動物福祉、鶏卵の安全性に対する意識の高まりから、今後、絶食を伴わない誘導換羽法は生産現場への応用が期待される。


[具体的データ]

図1 処理中の体重推移 図2 産卵率
表1 産卵成績
表2 卵質成績

[その他]
研究課題名:鶏の生理的特性に応じた飼養管理技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2004〜2009年度
研究担当者:箕浦正人、伊藤裕和、野田賢治

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