篩い選別で回収・再利用できる塊状副資材を用いた家畜ふん堆肥の製造


[要約]
高水分の乳牛ふんに塊状副資材を同容積で混合し、通気型堆肥舎において堆肥化すると、製造される堆肥の重量がオガクズを副資材にした場合の1/2、肥料成分が1.5倍となる。また、塊状副資材は堆肥化後、篩で選別・回収して再利用できる。

[キーワード]堆肥化、乳牛ふん、副資材、回収可能、篩い分け

[担当]群馬畜試・資源循環研究グループ
[代表連絡先]電話:027-288-2222
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(畜産環境)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  乳牛ふんは水分が高いため、堆肥化する場合に多量の副資材を要し、資材購入費や発酵槽の容積増大など処理コストが高くなる。また、オガクズ等木質系資材を多量に用いた堆肥は耕種農家に向けた利用促進の隘路となっている。そこで、乳牛ふんの堆肥化における副資材減量を狙い、回収・再利用可能な塊状副資材を使った発酵促進技術を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 水分76%の乳牛ふんに3種類の塊状副資材(表1)あるいはオガクズを同容積で混合し、通気型堆肥舎において通気量100L/分・堆肥m3で堆肥化したところ、発酵温度は、最高温度、開始後3週間の平均温度ともにオガクズを用いたほうが高く、塊状副資材では木片>軽石>発泡ガラスの順に低くなる(表2)。
2. オガクズを副資材として堆肥化すると1tの牛ふんから940kgの堆肥が製造されるが、塊状副資材を用いるとオガクズを用いた場合よりも重量で約2分の1、容積で約3分の1となる(図1)。
3. 堆肥の肥料成分は、塊状副資材を用いるとオガクズを用いたものと比較して約1.5倍となる。また、有機物分解率は、塊状副資材では牛ふんのみが分解されるため、オガクズを用いた場合よりも分解率は高く、炭素率は低くなる(表3)。
4. 塊状副資材を堆肥からトロンメル型篩い機で分離・回収する場合の作業能率は、網目が5mmの場合1.5m3/hであるが、15mmに変更すると5m3/hに向上するので、15mmで篩い分けできる大きさの塊状副資材が望ましい。また、回収された塊状副資材は、初回使用時より水分が増加するが、乾燥せずに再利用が可能である。
5. 乳牛ふんに混合する塊状副資材は、篩い選別機の負荷を軽減するため、比重が軽く、水分吸収量が少ない資材が適してしていると考えられる。

[成果の活用面・留意点]
1. 塊状副資材は大きいため、発酵槽の壁面近くにあると通気のショートパスが起きやすく、また、通気量が多過ぎると発酵温度の低下を招くので注意が必要である。


[具体的データ]

表1 副資材の性質
表2  発酵温度の経過
表3 堆肥の成分分析結果
図1 堆肥化による牛ふん及び資材の重量変化

[その他]
研究課題名:堆肥の製造と利用を支援する技術の開発 堆肥製造方法の改善
予算区分:県単
研究期間:2005〜2007年度
研究担当者:高橋朋子、鈴木睦美、山田正幸

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