ブドウ新品種「シャインマスカット」は、短梢せん定に適している


[要約]
「シャインマスカット」は、結果母枝の発芽率が高く、新梢生育の揃いも良いため短梢せん定栽培で必要な芽座が容易に確保できる。新梢の生育および果実品質は、長梢せん定と同等であり、短梢せん定に適している。

[キーワード]ブドウ、シャインマスカット、短梢せん定

[担当]茨城農総セ園研・果樹研究室
[代表連絡先]電話:0299-45-8340
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  ブドウの無核栽培では、ジベレリン処理や摘心・誘引・せん定などの管理作業が効率的に行える短梢せん定が増加している。短梢せん定は、主枝の両側に30cm前後の間隔で結果母枝(芽座)を配置する必要があり、主枝候補枝として延長する結果母枝(主枝育成枝)の発芽状況が大きく影響する。そこで新品種「シャインマスカット」の発芽・生育特性を把握し、短梢せん定に適するかどうか検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 主枝育成枝の発芽率は高く、2〜3m(15〜30芽)の育成枝においても70〜100%発芽し、十分な芽座が確保できる。発芽した新梢の生育は良好で揃いも良い(表1)。
2. 短梢せん定の花芽着生及び新梢生育(新梢長・展葉数・茎の太さ・果軸の太さ)は、長梢せん定とほぼ同じで、せん定の違いによる差は見られない(表2)。
3. 果実品質においても、せん定の違いによる差は見られない(表3)。
4. 短梢せん定樹の収量は、樹齢6年生以降1.6kg/m2以上と多く、1粒重14g程度の果実が生産できる(図1)。
5. 以上から、「シャインマスカット」は、短梢せん定の主枝上の芽座の確保が容易であり、新梢の生育・果実品質とも長梢せん定と同等なことから、短梢せん定に適する品種といえる。

[成果の活用面・留意点]
1. 「シャインマスカット」は、ジベレリン処理のみでは種子が残ることがあるため、ストレプトマイシン200ppmを満開予定日の14日前〜開花始期に散布、又は満開期のジベレリン処理に加用する。
2. 主枝育成枝は、生育が旺盛な新梢を利用し、8月上旬に摘心して充実を図る。
3. 供試した樹はウイルス(GRSPaV)を保毒しており、試験成績はこの条件のもとでの成績であるが、これまで(樹齢10年生)ステムピッティング・樹勢低下等の症状は出ていない。


[具体的データ]

表1.主枝育成枝の部位別発芽状況及び新梢基部の茎径(2007年12月)
表2.せん定方法と花芽着生及び新梢の生育(2007年)
表3.せん定方法と果実品質(2007年) 図1.短梢せん定樹の樹齢別収量と1粒重

[その他]
研究課題名:果樹推奨品種決定と生態収量予測
予算区分:県単
研究期間:2001〜2007年度
研究担当者:田中館志都、江橋賢治、寺門巌

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