種子なしビワ品種「希房」の大苗育成技術


[要約]
種子なしビワ品種「希房」を1月中・下旬に揚げ接ぎしてから、直径25cm、高さ25cmの布製ポット(底面は防根布)に移植し、加温施設(夜間最低気温5℃)で養成することにより活着率が90%以上になり、移植に適した分枝数4本以上の大苗を育成することができる。

[キーワード]種子なしビワ、「希房」、大苗、接ぎ木、育苗ポット、苗木育成

[担当]千葉農総研・暖地園研・果樹研
[代表連絡先]電話:0470-22-2603
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  種子なしビワの早期産地化に適した苗の要件は、初期収量性の高い大型の苗であること、低樹高栽培に適した分枝の多い苗であること、移植が容易であることの3点が挙げられる。そこで、初期から生産性が高い大苗を育成するために、加温及びポット育苗による苗の生育促進効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 接ぎ木の時期は、1月中旬が優れ、3月下旬に接ぎ木したものと比較して幹径が大きくなる(表1)。
2. 接ぎ木の方法は、居接ぎよりも揚げ接ぎが適する。この方法によると1等苗が多くできる(表2)。
3. 接ぎ木苗育成用として適するポットの種類・大きさは、布製ポット(直径25cm、高さ25cm)において最も苗の生長量(幹径、樹高、葉数、枝数)が大きい(表3)。
4. 接ぎ木後に施設で育成した接ぎ木苗の活着率は90%以上と明らかに高くなり、生長量(幹径、樹高、葉数)も優る(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 接ぎ木後はポット内の温度上昇と乾燥防止のために、苗木はポット植えのまま土中に8分目まで埋めて管理する。
2. 接ぎ木後は、接ぎ木部をポリエチレン製の小袋で被覆すると、発芽が1週間程度早くなる。なお、発芽後は直ちに外す。
3. 2年生までに定植すると植え痛みはほとんど起こらない。
4. この技術は、二倍体の栽培品種の苗木育成にも利用できる。
5. 布製ポットはグンゼ株式会社で販売しており、直径及び高さ25cmポットの価格は240円/枚である。


[具体的データ]

表1 接ぎ木時期が「希房」苗の生長に及ぼす影響(暖地園芸研究所、2年生苗) 表2 接ぎ木方法が「希房」苗の生長に及ぼす影響(現地2圃場の平均、2年生苗)
表3 ポットの種類・大きさが「希房」苗の生長に及ぼす影響(現地2圃場の平均、2年生苗) 表4 接ぎ木後育苗方法が「希房」苗の生長に及ぼす影響(暖地園芸研究所、1年生苗)

[その他]
研究課題名:常緑果樹の高品質・安定生産技術の確立
予算区分:国委託・高度化中核
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:佐藤三郎、八幡茂木

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