リンゴ「シナノスイート」の高品質果実安定生産のための適正着果基準


[要約]
リンゴ「シナノスイート」の大玉で高糖度な高品質果実を安定生産するためには、新梢停止期に1果当たり60枚程度の葉枚数が必要である。

[キーワード]シナノスイート、着果基準、葉果比、高品質果実、隔年結果

[担当]長野果樹試・栽培部
[代表連絡先]電話:026-246-2411
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  長野県では、リンゴ「シナノスイート」は、食味等が優れる中生種として生産振興が図られている。しかし、着果過多になると、果実肥大が劣るなど果実品質の低下がみられる。また、隔年結果しやすい特性があるので、着果過多の場合、翌年の花芽数を確保することが難しい。そこで、高品質果実を安定生産するための適正な着果基準を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 葉果比(1果当たり葉枚数)が小さいと果実重は小さく、葉果比60程度で果実肥大が最大になったことから、良好な果実肥大を確保するためには、葉果比60程度が必要である(図1)。
2. 葉果比と果実糖度の間には、正の相関関係が認められ、葉果比が大きくなると糖度も高くなった(図2)。このため、高糖度の果実生産のためには多着果にしない方がよい。
3. 前年の葉果比と頂芽開花率の間には相関関係がみられ、葉果比60以下では頂芽開花率が60%以下となる樹があった(図3)。安定生産のための頂芽開花率を60%以上と設定した場合、葉果比60以上が必要である。
4. 葉果比と収量の間には、負の相関関係が認められ、葉果比が大きくなると収量は低下した(図4)。葉果比60程度に着果させると、「シナノスイート」の目標である10a当たり4トン程度の収量が確保できる。

[成果の活用面・留意点]
1. 樹勢の落ち着いた樹では、葉果比60として4〜5頂芽に1果程度を目安に着果させる。
2. 本研究成果は、「シナノスイート」の目標果実重を300〜350g、目標糖度を14〜15%とした場合の基準である。
3. 樹体生育と果実肥大の観点から、樹勢の違いによって着果程度を変える。
4. 着果量が少ないと収量が劣り、幼木期には果実肥大が旺盛になることがあるので注意する。
5. 本研究では、葉果比60を超える樹は1樹しかないが、前年度の試験でも収量について同様の傾向がみられたので、10a当たり4トン程度の収量確保には葉果比60程度が必要である。
6. 最終的な葉枚数の設定は、新梢がほぼ停止する7月上旬頃とする。仕上げ摘果時には、最終的な葉枚数を予想して摘果する。


[具体的データ]

図1 「シナノスイート」の葉果比と果実重の関係(2005年) 図2 「シナノスイート」の葉果比と果実糖度の関係(2005年)
図3 前年の葉果比と頂芽開花率の関係(2005、2006年) 図4 「シナノスイート」の葉果比と換算収量の関係(2005年)

[その他]
研究課題名:リンゴ新品種の栽培技術の策定
予算区分:県素材開発
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:玉井 浩、小野剛史、臼田 彰

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