露地早生ウンシュウミカンの全量施肥用配合肥料による省力施肥法


[要約]
露地早生ウンシュウミカンに複数のシグモイド型被覆尿素と無機、有機肥料を配合した全量施肥用配合肥料を、11月上旬に全量1回施用すると、慣行施肥に比べ収量・品質を落とすことなく、年間窒素施用量が20%削減でき、施肥作業も省力化できる。

[キーワード]早生ウンシュウ、露地栽培、被覆尿素、省力化、減肥

[担当]愛知農総試・園芸研究部・常緑果樹グループ
[代表連絡先]電話:0533-68-3381
[区分]関東東海北陸農業・果樹、関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  露地早生ウンシュウミカンの施肥作業は年3回あるが、施設栽培との複合経営体系では、その収穫や加温準備から労力競合が起こり、適期施肥が行われていない現状である。そこで年1回全量施肥が可能で、さらに高品質安定生産並びに窒素施用量の削減できる、全量施肥用配合肥料を新規に開発し、施肥作業の省力化を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 露地早生ウンシュウミカンの省力施肥法を確立するため、複数のシグモイド型被覆尿素と無機、有機肥料を配合した全量施肥用配合肥料を開発した。肥料は、年間窒素施用量で慣行の20%削減の20.5kg/10aを11月上旬に全量1回施用する(表1)。
2. 全量施肥用配合肥料からの窒素溶出は、無機及び有機肥料が11月上旬より始まり、12月下旬までに大半が溶出する。その後、シグモイド型被覆尿素が3月上旬より溶出を始め、5月中旬にピークを迎え、9月下旬までに大半が溶出する(図1)。
3. 全量施肥用配合肥料を年1回全量施用する場合、収量および果実品質は年間窒素施用量を慣行の20%削減しても慣行区と差がない。年間窒素施用量が慣行の40%削減の15.4kg/10aでは、収量の低下、果皮色(a値)が低くなる可能性があるため、年間窒素施用量は20%削減程度にとどめる(表2)。
4. 葉内窒素含有率は、年間窒素施用量を慣行の20%削減しても慣行区と差がない(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 愛知県内露地早生ウンシュウミカン産地での使用に適する。
2. 全量施肥用配合肥料の窒素の溶出は温度の影響を受けやすいので、溶出の遅れによる遅効防止のため適期施用する。
3. 全量施肥用配合肥料からの安定した肥効を得るため、施用後、土壌と軽く混和する。


[具体的データ]

表1 試験区の構成
図1 全量施肥用配合肥料からの窒素溶出パターン
表2 肥料の違いが収量、果実品質に及ぼす影響(2004〜2006年の平均値)
表3 施肥の違いが葉内窒素含有率に及ぼす影響

[その他]
研究課題名:イチジク、ミカンに適した新規の肥効調節型肥料の開発
予算区分:県単(産学官共同研究)
研究期間:2003〜2006年度
研究担当者:栗田恭伸、鈴木寛之、大平正隆、岩田久史(愛知県経済農業協同組合連合会)

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