RAPD-STS化マーカーを用いたリンゴ品種識別


[要約]
RAPD-STS化マーカーによりリンゴ新品種「秋星」を中心とした主要19品種を識別できる。

[キーワード]リンゴ、品種識別、DNAマーカー、RAPD、STS

[担当]石川農総研・資源加工研究部・生物資源グループ
[代表連絡先]電話:076-257-6911
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  独自品種の開発は地域農業の振興を図る上で極めて有効であり、全国的に新品種育成が行われているが、ブランド保持や育成者権の保護のために品種識別法を確立しておく必要がある。石川県においてもさまざまな新品種育成が進められており、リンゴ新品種「秋星」が育成された。
  リンゴの品種識別法は、これまでにSSR法による検出が報告されているが、シーケンサーがない機関においては利用が難しい。そこで、石川県において「秋星」を中心としたリンゴ品種識別のために、より簡便に識別できるDNAマーカーを開発する。

[成果の内容・特徴]
1. 石川県におけるリンゴ主要8品種(秋星、ふじ、つがる、王林、千秋、さんさ、紅玉、陽光)の幼葉より抽出したDNAを用いて、RAPDマーカーを検索した。8品種を識別できるようにRAPDマーカーをSTS化した結果、11個のSTS化マーカーが作製できた(図1)。
2. 作製した11個のSTS化マーカーを用いると、主要8品種を含む計19品種のリンゴが各々、特有のバンドパターンを示し、相互に識別できる(表1)。
3. 本県における主要8品種を相互に識別するには、5個のSTS化マーカー(例えばSTS-1、STS-5、STS-6、STS-7、STS-9の組み合わせなど)で識別可能である。
4. 識別に用いる供試部位は、葉だけではなく果実でも同様の結果を示す(データ省略)。

[成果の活用面・留意点]
1. PCRによる品種特異的DNA領域の増幅とアガロースゲル電気泳動による検出で、簡易にリンゴ品種を識別できる。
2. 苗木の生産・管理において品種を保障するだけではなく、流通段階におけるリンゴ品種識別にも利用できる。
3. 19品種以外の他の品種を用いる場合は、これらのプライマーによるパターンを確認した上で判別に用いる必要がある。
4. これらのRAPD-STS化マーカーは優性マーカーであり、あくまで品種間の大きな差を見る性質のものである。


[具体的データ]

図1. リンゴ8品種のSTS化マーカーによる電気泳動結果写真
表1. RAPD-STS化マーカーによるリンゴ19品種判別パターン

[その他]
研究課題名:遺伝子工学技術を活用した品種判別技術および品種育成素材の開発
予算区分:県単
研究期間:2004〜2007年度
研究担当者:濱絵里子、小牧正子

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