イオンビーム照射によるオステオスペルマム新品種「ヴィエントフラミンゴ(仮称)」の育成


[要約]
オステオスペルマム「マザーシンフォニー」にイオンビームを照射して変異体を誘導し、これまでにない色調のオステオスペルマム新品種「ヴィエントフラミンゴ(仮称)」を育成した。

[キーワード]イオンビーム、育種、オステオスペルマム、組織培養、突然変異、新品種

[担当]群馬農技セ・生物工学グループ
[代表連絡先]電話:0270-30-7799
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  オステオスペルマムは多花性で鮮やかな色彩から、コンテナや鉢物として日本でも生産が増加している。通常の交配の他、栽培中の枝変わりから新品種が育成されることがあるが、人為的に突然変異を誘起することによりさらに効率的な品種作出が期待される。そこでオステオスペルマム培養葉片にイオンビームを照射し、再分化した個体から優良変異体を選抜し、新品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. イオンビーム照射は日本原子力研究開発機構高崎量子応用研究所のAVFサイクロトロンを用いて行った。黄色の花弁を有するオステオスペルマム「マザーシンフォニー」の培養葉片に炭素イオン12C5+12C6+を1〜5Gyの照射線量で照射した。照射後、不定芽を誘導し植物体を育成した。
2. 約3,000個体の中から、形態や花色に変異がある39個体を選抜した(表1)。
3. 選抜個体の中から、花色が黄色地にピンクの縦筋とぼかしが入るパステル調の個体を「ヴィエントフラミンゴ(仮称)」として品種登録出願した(表2図1)。
4. 原品種「マザーシンフォニー」の優れた生育・開花特性を受け継いでいるため、開花期間は長く(1〜6月)、耐寒性および耐暑性(-6〜35℃)を有する。

[成果の活用面・留意点]
1. 苗の配布は当面群馬県のみとする。
2. 栽培法は「マザーシンフォニー」に準ずる。


[具体的データ]

表1 12C5+ ,12C6+ イオンビーム照射によって得られた  オステオスペルマム変異体
表2 ヴィエントフラミンゴの花色特性
図1 原品種「マザーシンフォニー」と新品種「ヴィエントフラミンゴ(仮称)」A:原品種「マザーシンフォニー」B:「ヴィエントフラミンゴ」C:「ヴィエントフラミンゴ」5 号鉢での開花状況

[その他]
研究課題名:園芸作物へのイオンビーム照射による優良突然変異個体育成
予算区分:県単
研究期間:2003〜2005年度
研究担当者:飯塚正英、木村康夫、長谷純宏、田中淳
                  関口政行**原子力機構量子ビーム、**はなせきぐち)
発表論文等:出願公表(平成19年8月3日)出願番号第20857号

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