花壇苗生産における生分解性プラスチックポットの利用方法


[要約]
花壇苗生産にはデンプン25%含有PBSポットが適しており、底面中央の穴に加え底面角に4個穴のあるポットが定植後の活着がよい。育苗用土は調整ピートを用いるとポットの分解がコントロールし易い。分解に伴う生育不良は窒素成分の補填で回避できる。

[キーワード]花壇苗、生分解性プラスチックポット、利用技術

[担当]愛知農総試・園芸研究部・花きグループ
[代表連絡先]電話:0561-62-0085(内線543)
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  花壇苗生産では大量のポリポットが使用されることから、環境に配慮した生産、ゴミの減量を推進する上で、生分解性プラスチックポットの利用を促進することは極めて重要である。また、植付け時のポットからの抜き取り作業が省略できるメリットがあるため、花壇苗生産に適した生分解性ポットを選定し、その利用技術を確立する。

[成果の内容・特徴]
1. ポット用土の窒素成分量、土壌水分や育苗用土の種類によって、ポット(径9cm)の分解速度が異なる(図1)。堆肥や腐葉土といった有機物を含まない調整ピートが分解がコントロールし易く適している。
2. デンプン含量50%のポットでは、分解に伴う窒素飢餓が起きやすい。トウガラシの例では、N成分180mg/L以上で窒素飢餓が防止できる(図2)。N成分120mg/Lの用土で試算したところ、ポット当たり22mgの窒素が分解で消費(データ省略)されていたため、植物の種類に応じて、この分の窒素を加えて施用する。
3. PBSにトウモロコシ由来デンプン25%を含有したポット(以下PBS/デンプン)の場合、N成分を120mg/L含む標準的な用土では、42日後で使用前の重量比で15〜20%にあたる0.8gとやや分解が進むので、定植後の活着のために速やかな分解が求められる花壇苗生産に適している(図3)。
4. ポットの中心以外に底面角に4個程度の開口部(開口率2%程度)のあるポットが、定植後のポット外への根の伸長が早く、活着がよい(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. Ebb&Flowやマット給水などの底面給水で育苗し、底面の開口部から根が伸長し始めた頃定植すると、その後の活着が良い。
2. 定植直後は水管理に注意し、特にポット内が乾燥しないよう多めに灌水する。
3. 液肥のみで肥培管理する場合、生育の初期から多めに施用しないと窒素飢餓による生育不良になりやすいので注意する。


[具体的データ]

図1 ポットの分解程度(PBS/デンプン50%) 図2 施肥量と観賞用トウガラシの成長(PBS/デンプン50%ポット)
図3 N施肥量とPBS/デンプン25、50%ポットの分解
表1 ポット開口部の違いとポット外への根の伸長(ヒマワリ)1)

[その他]
研究課題名:鉢物・緑化苗等における生分解性ポットの改良及び利用技術
予算区分:高度化事業
研究期間:2005〜2007年度
研究担当者:平野哲司、牧田尚之、大石一史、加藤俊博

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