トルコギキョウ秋冬出荷のための間欠陽光照射による暗黒低温処理育苗


[要約]
高温で育苗したロゼット化苗を10℃の暗黒で低温処理する際に、7日毎に1日の陽光処理により苗の腐敗が無く、定植後、正常に生育する苗を育苗できる。連続電照法に比べ、6倍のトレイを収納できるため、3.3m2の冷蔵庫で240トレイの収納が可能である。

[キーワード]トルコギキョウ、ロゼット化、間欠陽光照射、暗黒低温処理、育苗

[担当]群馬農技セ・生産技術部・花きグループ
[代表連絡先]電話:0270-30-7799
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  トルコギキョウは、生育初期に高温に遭遇するとロゼット化し、茎(節間)の伸長を停止する。この対処法の一つに、高温で育苗し、ロゼット化させた苗を連続電照し、10℃にした冷蔵庫で5〜6週間低温処理してロゼット化を打破する育苗がある。この方法は、苗の腐敗を防ぐため連続して電照するが、電照のための棚間隔を45cm前後取る必要があり、育苗トレイの収納率が悪い。
  そこで、収納率を高めるため、照明施設を必要としない低温処理について、秋冬出荷において、苗の腐敗や陽光処理(灌水を兼ねてハウスまたは露地で太陽の光に当てる)を少なくするための陽光照射間隔や条件を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 間欠陽光照射による暗黒低温処理育苗は、暗黒低温処理中(10℃で5〜6週間)に7日毎に1日(8〜17時の9時間)陽光照射する(図1)。この育苗の特徴は、
①苗の生存率が高く、年、時期による変動も無い(表1)。また、陽光照射日の天候(曇・雨天)の影響が極めて小さく、陽光照射時全てが強遮光条件下でも苗の生存率は高い(表1)。
②定植後の生育はロゼット化せず、連続電照法とほとんど差がない(表2)。
③切り花品質に差は無いが、開花日は連続電照法に比べ、遅くなる(表2)。
2. 連続電照低温処理法は、3.3m2当たりの水稲用の育苗箱が40箱(40セルトレイ)の収納に対して、暗黒低温処理法では240箱収納でき、288穴セルトレイで育苗すると約19a分の苗が処理できる。

[成果の活用面・留意点]
1. ロゼット性がやや強い〜強い品種が適し、7月中旬〜8上中旬の定植で10〜12月出荷には中生〜晩生種、9月上旬〜中旬の定植で1〜3月出荷には極早生〜早生種が適する。
2. 播種後、苗をロゼット化させるため、平均気温25℃、かつ夜温20℃以上で管理する。発芽後は週1回、窒素濃度100ppmの液肥を1セルトレイ当たり500ml施用する。
3. 陽光処理は早朝に出庫し、夕方入庫する。その際、散水を8時、12時、15時に行い、晴天日には50%遮光を行う。
4. 陽光照射日が雨天の場合は、雨天日を避けて天候が良い日に行うよう1〜2日、日をずらす。
5. 暗黒低温処理中は、灰色かび病が発生しやすいので薬剤散布を行う。


[具体的データ]

表1 暗黒低温処理時の陽光照射間隔が暗黒低温処理終了時の苗生存率(%)に及ぼす影響(2004〜2006年)
表2 10〜12月出荷作型における暗黒低温処理時の陽光照射間隔が「マイテレディ」の生育に及ぼす影響(2006年)
表3 1〜3月出荷作型における暗黒低温処理時の陽光照射間隔が「ネイルピーチネオ」の生育に及ぼす影響(2006年)
図1 間欠陽光照射による暗黒低温処理育苗の概要

[その他]
研究課題名:トルコギキョウ秋冬出荷栽培の育苗改善と夏秋切り栽培の安定生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:星野里美、春山 実、小林智彦

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