7月播種トマトの草勢確保による高品質多収生産技術


[要約]
「トマト促成長期どり栽培」では、播種を7月とすることで、11月から収穫が可能になり20t/10a以上の収量が得られる。出蕾期定植と全量基肥施用では、初期生育が確保され空洞果が減少し、地中加温では草勢が確保され安定生産ができる。

[キーワード]トマト促成長期どり栽培、7月播種、出蕾期定植、全量基肥、地中加温

[担当]栃木農試・園芸技術部・野菜研究室
[代表連絡先]電話:028-665-7142
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  近年、産地間競争の激化によりトマトの販売単価が低迷し、トマト生産者の所得を向上させる新たな高品質多収どり作型の開発が求められている。そこで、従来の促成栽培より長期間収穫する「促成長期どり栽培(11〜6月収穫)」について生産性向上の要因分析を行い、本県に適したトマトの長期どり栽培の高品質多収生産技術確立の資とする。

[成果の内容・特徴]
1. 播種時期を7月下旬とすることで、11月上旬から本格的な収穫が可能となる。促成栽培の収量は12t/10aで、促成長期どり栽培では20t/10aであった(表1)。
2. 7月下旬播種で定植時の苗齢を第1花房出蕾期程度とすることで、初期生育が確保され11〜1月頃の可販果収量が増加する(図1)。
3. また、肥料は慣行の2倍量の4kg/aを全量基肥施用することで、特に12月〜2月の空洞果が少なくなり、全体の果実品質が向上する(図3)。
4. 地下20cmに温湯管を設置し、地温20℃を目標に地中加温した場合、収穫後半まで草勢が確保されて可販果収量が約10%増加する。(図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 高軒高施設におけるハイワイヤー誘引により開発した技術である。
2. 地中加温の導入にあたっては、費用対効果を十分検討する。
3. 促成作型と比べ生育初期の生長スピードが早く、11月から収穫作業に入るため、計画的な栽培管理が必要となる。


[具体的データ]

表1 促成長期どり栽培と促成栽培の栽培概要及び収量
図1 促成長期どりトマトの各花房収穫期の茎径
図2 促成長期どり栽培トマトの月別可販果収量
図3 促成長期どり栽培トマトの月別空洞果発生割

[その他]
研究課題名:施設野菜の高品質安定生産技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2002〜2004年度
研究担当者:高浪弘好、羽石重忠、石原良行、大島一則

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