中島菜の晩抽性系統の選抜


[要約]
地域在来のツケナである「中島菜」の在来系統から選抜した「晩抽・中島」および「晩抽・西谷内」2系統は、標準JA系統に比べて、2週間程度抽台が遅いために収穫期間が拡大でき、また食味やACE活性阻害に標準系統との差がない。

[キーワード]中島菜、ツケナ、晩抽性、地方品種、ACE活性阻害

[担当]石川農総研・育種栽培研究部・育種グループ、園芸グループ
[代表連絡先]電話:076-257-6911
[区分]関東東海北陸農業・野菜
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  「中島菜」(Brassica campestris cv. Nakajimana)は、従来、石川県中島町(現・七尾市)近辺で栽培されてきたツケナで、葉を根元から収穫し漬け物としていた。機能性に特色があり、ACE(=アンジオテンシン変換酵素)活性阻害が強く、血圧上昇抑制効果があるとされ、近年、新たな食材としての利用拡大が図られている。寒さに強く9〜10月播種で越冬し、株が育てばいつでも収穫が可能である。しかし、3月上中旬に抽台すると商品価値が無くなる。そこで、収穫期間の拡大を目的に晩抽性株の選抜を行った。

[成果の内容・特徴]
1. 平成13〜18年度までの5回選抜により得られた晩抽・中島及び晩抽・西谷内の晩抽性2系統は、JA標準系統と比べて約2週間遅く抽台することから、生葉での出荷可能期間が拡大される(図1図2)。
2. 機能性成分について、現地露地・農研露地および農研ハウスの3カ所で栽培したものを比較すると、栽培場所と系統による変動はあるが、晩抽性2系統はJA標準系統とほぼ同等の値を示す(図3)。
3. 塩漬け物として外観・香り・食感・うまみ等の食味官能試験を行ったところ、全ての項目で晩抽性2系統はJA標準系統と大差がない(データ省略)。
4. 晩抽性2系統のうちで、晩抽・中島の方が採種性に優れ、同規模の人工授粉により約4倍の種子が得られる(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 晩抽・西谷内はJA標準と同等の大株で晩抽・中島がやや小株であるが、達観および小規模試験では収量に大差が見られない。
2. 普及を実現するには、標準種子の採種に加えて、晩抽性系統を隔離された圃場で別に採種する必要がある。


[具体的データ]

図1.中島菜3 系統の抽台推移 図2.花茎伸長期の圃場(4 月2 日)
図3.中島菜3 系統のACE 活性阻害
表1.晩抽性2 系統の人工受粉による採種量

[その他]
研究課題名:中島菜の優良系統の選抜
予算区分:県単(戦略作物振興試験研究事業)
研究期間:2001〜2007年度
研究担当者:平井英行、小牧正子、吉川基世

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