乗用型摘採機による踏圧の影響とサブソイラによる土壌物理性改善効果


[要約]
乗用型摘採機の踏圧により、茶園畦間の深さ5〜15cmの土壌が圧密されるが、秋期にサブソイラ深耕を行うことにより、圧密部が膨軟になる。さらに、次年以降の一・二番茶の生産性改善にもつながる。

[キーワード]茶園、乗用型摘採機、踏圧、圧密、サブソイラ、深耕、土壌物理性改善

[担当]三重科技セ・農業研究部・茶業研究室
[代表連絡先]電話:0598-42-6354
[区分]関東東海北陸農業・茶業
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  最近、三重県下の茶産地においては、大規模化・省力化のため、乗用型摘採機の導入が進んでいる。しかし、乗用型導入茶園においては、摘採と整枝作業のみでも、年間14〜16回程、畦間を通路として利用するため、クローラーの踏圧により、畦間土壌の物理性悪化が懸念されている。そこで、乗用型摘採機導入が土壌の物理性に及ぼす影響を把握するとともに、その対策としてサブソイラ等による深耕の効果を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 乗用型摘採機導入茶園では、土壌の種類に関わらず、畦間の深さ5〜15cmの土壌が圧密される(図1)。
2. 黒ボク土茶園において、畦間の作土直下(10〜15cm)の孔隙率は、乗用型摘採機導入により低下する。しかし、サブソイラ深耕(乗用型−耕深約40cm)により、可搬式摘採機の茶園とほぼ同程度の孔隙率が確保される(表1)。
3. 細粒黄色土茶園において、秋期にサブソイラ深耕並びに反転深耕(歩行型−耕深約25cm)を行うことにより、約1年後まで、畦間の圧密部の土壌硬度が低下する。特に、サブソイラ深耕は反転深耕に比べて、物理性改善効果は大きい(図2)。
4. 同上茶園において、毎年秋期にサブソイラ深耕を行うことにより、次年以降の一・二番茶の生葉収量が平均15%程度増加する(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 乗用型摘採機導入茶園における土壌物理性改善に役立つ。
2. 現地茶園の土壌調査は、2004〜05年に県下44カ所で実施した。
3. 細粒黄色土茶園の深耕試験は、乗用型摘採機利用年数9年の「やぶきた」園において、2004〜06年に実施した。
4. 土壌硬度の測定には、山中式土壌硬度計を用いた。
5. サブソイラによる深耕時期は秋(9〜10月)が適期である。


[具体的データ]

図1 乗用型摘採機導入茶園の畦間土壌硬度(土壌別代表事例:2004)
表1 摘採機の種類、深耕有無と畦間10〜15cm深の三相分布(2004) 図2 深耕方法と畦間の土壌硬度(2006)
図3 深耕と一・二番茶生葉収量(2005〜06)

[その他]
研究課題名:土壌環境健全化等による伊勢茶の品質向上技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:青久、磯部宏治

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