遮光カートンの性能評価及び製品化の検討


[要約]
飲料用紙パック(ミルクカートン)にアルミを含有した遮光インキを印刷することにより、ショーケース内蛍光灯等からの光の遮光度を高めることができ、ビタミンC残存効果等が期待できる機能性カートンとなる。

[キーワード]カートン、遮光

[担当]茨城工技セ・地場食品部門、食品バイオ部門
[代表連絡先]電話:029-293-8576
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  カートンとは飲料用紙パック(いわゆる牛乳パック)のことで、このカートンに遮光用の特殊なインキを塗ったものが遮光カートンである。この遮光カートンとすることで、カートン内への光の通過を遮断するという機能性を持たせることが可能となる。
  食品・飲料等において、光によりタンパク質の酸化、ビタミン破壊、退色等が発生する事が知られている。現在多く出回っているミルクカートンも例外でなく、ショーケースによる光が牛乳等の製品内に入ってきてしまっているのが実状である。そこでこれらの問題に対応するため、アルミ含有インキを印刷した遮光カートンについて、遮光度及びビタミンC残存率等の性能評価を行うとともに、製品化について検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 既存のカートンにアルミを含有した遮光インキを印刷し、カートン原紙の表面に遮光性印刷層を作りこれを遮光カートンとした。この遮光カートンの色は薄い銀色となり、輝度が高く、黒色カートンには無いデザイン性にも優れている特徴もある(図2)。
2. 遮光カートンの遮光性能を評価するため、複数色のカートン(測定色:赤・青・黄・水色・白(無地)・黒・遮光インキ)について、光に対する遮光率を測定した。その結果、遮光インキのカートンは、全体的にみて黒色インキの次に高い遮光効果を示す結果が得られた(図1)。
3. 光によるカートン内飲料への影響を評価するため、野菜ジュースを入れた通常カートン及び遮光カートン2種類を2週間ショーケース内で蛍光灯にあて冷蔵保存した後、野菜ジュース内のビタミンCに対する影響を調べた。その結果ビタミンCに関して、遮光による残存効果が確認できた(表1)。
4. 遮光カートンは乳業メーカー数社に採用され、製品化されるに至った(図3)。現在は飲用牛乳類で製品化されており、この遮光カートンを使用することで、保存による風味劣化や鮮度低下の軽減が期待できる。今後も高付加価値を売りにした、高級感のある牛乳としての製品化を目指す。

[成果の活用面・留意点]
1. ビタミンCの残存効果があるので、ジュース等の清涼飲料水についても機能性効果が期待できる。
2. 金属箔を使用していないため、金属探知器を使用可能である。


[具体的データ]

図1 インキの種類別カートンの光透過率測定結果
図2 通常カートン及び遮光カートン 図3 製品化一例 表1 ビタミンC測定結果(mg/l)

[その他]
研究課題名:遮光カートンの性能評価及び製品化の検討
予算区分:県単事業(オンリーワン共同研究事業)
研究期間:2006年度
研究担当者:宇津野典彦、長谷川裕正、河合慎一郎(北越パッケージ(株))、浜田瞳(北越パッケージ(株))、佐藤秀明(北越パッケージ(株))

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