ふるさと野菜「のらぼう菜」に含有する栄養成分、食味の解明


[要約]
埼玉県在来のらぼう菜3種(比企、都幾川、野口種苗)における栄養成分は茎に比べて葉に多く、糖含量は葉に比べて茎に多い。ゆで後の成分の損失は葉に比べ茎が少なく、食味評価では、比企と野口種苗が甘み・食感・おいしさの評価が高い。

[キーワード]他の茎葉菜類、地方品種、栄養成分、官能評価

[担当]埼玉農総研・食品加工担当
[代表連絡先]電話:048-536-6034
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  地産地消運動が展開される中で、おいしさやその地方だけでしか食べられない地域の特産野菜や地方品種が注目され、地方ブランドの生産も盛んになっている。そこで、本県独自のふるさと野菜を創出し、産地化・ブランド化を図るため、地方品種のらぼう菜(分類:アブラナ科洋種なばな)の栄養成分や食味の特性を明らかにし、地産地消運動と本県産野菜の消費拡大に資する

[成果の内容・特徴]
1. のらぼう菜3種の栄養成分として、タンパク質、脂質、灰分、カルシウム、鉄、ビタミンCを葉と茎の部位に分けて測定すると、全ての成分量は茎より葉において高い。のらぼう菜3種の中では比企のらぼう菜の葉及び茎のカルシウム、ビタミンC含量が高い(図1)。
2. のらぼう菜3種の糖含量を葉と茎で測定すると、3種とも糖は主にグルコースとフルクトースを多く含有し、グルコースとフルクトースは葉より茎に多く含まれる。スクロースは3種とも宮内菜と比較すると多く、葉と茎に同程度含まれる(図2)。
3. 比企のらぼう菜のゆで後の栄養成分、糖含量の減少率を葉と茎においてみると、各成分とも葉に比べ茎における損失が少ない。主な成分では、カルシウムはゆで後の葉における損失が約2割であるのに対し、茎の損失はほとんどなく、ビタミンC、フルクトース、グルコースはゆで後の葉における損失が6〜7割であるのに対し、茎では約4割である(図3)。
4. のらぼう菜3種をゆで後に甘み・食感・青臭み・おいしさの4項目について5段階の食味評価をすると、3種とも宮内菜と比較して甘み・食感・おいしさの評価が高く、特に比企のらぼう菜、野口種苗のらぼう菜でこれら3項目の評価が高い(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 県内農産物直売所や市場流通におけるのらぼう菜の有利販売に生かす。
2. のらぼう菜の特性を生かした加工品の開発に役立てる。


[具体的データ]

図1 のらぼう菜のカルシウム、ビタミンC含量 図2 のらぼう菜の糖含量
図3 比企のらぼう菜の加熱による成分含量変化 表1 のらぼう菜ゆで後の食味評価

[その他]
研究課題名:彩の国ふるさと野菜の創出に向けた品種選定と生産・加工技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2006〜2007年度
研究担当者:池田順子、茂木光子、増山富美子

目次へ戻る