県内植物資源に由来する機能性ポリフェノールの探索


[要約]
埼玉県産植物の未利用部位を凍結乾燥し80%メタノールで抽出すると、ベニアカの葉、アカメガシワの葉、クリの葉、ナスの葉、ビワの葉、オクラの種子に多くのポリフェノールが含まれる。ポリフェノール量と抗酸化能及び活性酸素除去能には相関関係がある。

[キーワード]未利用植物資源、ポリフェノール、抗酸化能

[担当]埼玉産技総セ北部研・生物工学部
[代表連絡先]電話:048-521-0614
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  高齢化社会の到来や医療費の増大などの社会的背景から、生活習慣病を予防する必要性がますます高まっている。その予防法として関心を集めているものに機能性食品があり、現在最も多く商品化されているものの一つとしてポリフェノール類が挙げられる。埼玉県が首都圏向けの野菜類の産地であり、多様な野菜類が栽培されているという特色をもつことから、県内で栽培された野菜類に含まれる機能性ポリフェノールの探索を本研究の目的とする。廃棄物の有効利用という観点から、植物の未利用部位を中心に検討する。

[成果の内容・特徴]
1. ポリフェノール量と抗酸化能(図1
  各県内植物資源を凍結乾燥し80%メタノールで抽出すると、サツマイモの一品種であるベニアカの葉、アカメガシワの葉、クリの葉、ナスの葉、ビワの葉、オクラの種子などに多くのポリフェノールが含まれる。また、葉や茎などの未利用部位間でポリフェノール量を比較すると、葉のポリフェノール量が高くなる傾向がある。
  本研究において評価を行った野菜試料においても、ポリフェノール含有量の多い試料ほど抗酸化能が高くなる傾向がある。サツマイモの葉に関して試験に供した試料はベニアズマ、ベニアカ、秩父太白、パープルスウィートロードの4品種であるが、これらの品種間では葉のポリフェノール量が大きく異なり、埼玉県在来品種であるベニアカが最も大きな値を示す。
2. ポリフェノール量と活性酸素除去能(図2
  ポリフェノール量及び抗酸化能が高い16品目に関して活性酸素除去能を測定すると、同様にポリフェノール含有量の多い試料ほど活性酸素除去能が高くなる傾向がある。しかしながら、クリの葉とビワの葉が近似直線から大きく外れる。これは、他の品種とは異なる性質のポリフェノールが含まれることを示唆している。サツマイモの葉に関しては、試験に供した4つの試料において埼玉県在来品種であるベニアカが最も大きな活性酸素除去能を示す。
3. プロアントシアニジン含量(図3
  9品目についてプロアントシアニジン含有量を測定すると、クリの葉とビワの葉が他に比べてプロアントシニジンを多く含むことが分かる。

[成果の活用面・留意点]
   記載なし。


[具体的データ]

図1 ポリフェノール量と抗酸化能の相関
図2 ポリフェノール量と活性酸素除去能の相関
図3 カテキン及びプロアントシアニジン含有量

[その他]
研究課題名:県内植物資源に由来する機能性ポリフェノールの探索
予算区分:県単
研究期間:2006年度
研究担当者:高橋学、樋口誠一

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