ダイズ「すずおとめ」の奨励品種採用(予定)


[要約]
納豆用のダイズ品種として、子実が球形、白目で裂皮が少ない小粒の「すずおとめ」を奨励品種に採用する(予定)。適正な播種密度は平方メートル当たり20粒程度、播種適期は7月上中旬である。

[キーワード]ダイズ、納豆用小粒、すずおとめ、奨励品種

[担当]三重科技セ・農業研究部・作物研究課、伊賀農業研究室
[代表連絡先]電話:0598-42-6354
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  三重県の大豆作(作付面積2930ha)は、主に豆腐に用いられる「フクユタカ」が作付面積の95%以上を占めている。しかし、実需者から、県産でより納豆に適した小粒大豆の生産要望を受けて、2002年頃から九州沖縄農業研究センター育成の「すずおとめ」が栽培され始めた。2007年産で約30haの作付けがあり、それを使った納豆が市販されている。今後さらに需要の拡大が見込まれることから、「すずおとめ」を奨励品種に採用し、生産の振興を図る。

[成果の内容・特徴]
1. 「すずおとめ」は、粒形が球で、白目で裂皮が少なく、百粒重が10g程度の小粒大豆である(表1)。
2. 「すずおとめ」は「フクユタカ」と比較して、次のような特徴がある。成熟期は、6月末播種では18日程度、7月中旬播種では7日程度早い早生品種である。主茎長は同等でやや長く、耐倒伏性は「フクユタカ」と同様に高くない。稔実莢数は多いものの百粒重が小さいため、収量性はやや劣る。腐敗粒の発生はわずかに多いが、裂皮は少なくて外観品質は概ね同等である(表1表2)。
3. 一般的に食味評価が高い北海道産「スズマル」の納豆との食味比較では、軟らかくて「香り」の評価は低い。しかし、「糸引き」は同程度で、「味」については良好であり、納豆用原料として概ね良好な評価である。(表3)。
4. 適正播種密度は平方メートル当たり20粒程度である。主茎長、倒伏程度および収量は播種密度の影響が大きく、播種密度が平方メートル当たり30粒を超える高密度になると倒伏を助長して減収する(表2図1左)。
5. 6月中の播種では、倒伏程度が「3」以上の著しい倒伏となりやすいが、7月上中旬播種では倒伏が軽減される。(図1右)。

[成果の活用面・留意点]
1. 栽培予定地域は県内全域で、当面の普及予定面積は約60haである。
2. 成熟期が「フクユタカ」よりも1週間以上早いため、収穫作業の分散が可能である。
3. 小粒であることから、適正播種密度とするため播種量(百粒重10gで播種量0.2kg/a)に留意する。


[具体的データ]

表1 「すずおとめ」の生育・収量特性(奨励品種決定調査)
表2 「すずおとめ」の現地試験結果
表3 「すずおとめ」の納豆食味評価
図1 「すずおとめ」の播種期および播種密度が収量と倒伏程度に及ぼす影響

[その他]
研究課題名:大豆奨励品種決定調査
予算区分:県単
研究期間:2001年度〜2007年度
研究担当者:宮本啓一、松井未来生、村上高敏、山川智大、神田幸英

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