「あきたこまち」の背白粒を低減させる穂肥施用法


[要約]
背白粒は穂肥窒素量が多いほど発生が減少し、穂肥施用時期では出穂前9〜12日の施用が発生を最も減少させる。また、速効性窒素0.1kg/aに加え、被覆尿素30日タイプを窒素0.1kg/a同時に施用することで背白粒の発生をさらに抑制できる。

[キーワード]高温登熟、あきたこまち、背白粒、穂肥、被覆尿素30日タイプ

[担当]茨城農総セ・農研・水田利用研究室
[代表連絡先]電話:0297-62-0206
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  近年、水稲登熟期の高温化による背白・基白粒の発生が全国的に問題となっている。これまでの報告によると、籾数との関連は少なく、登熟期における窒素栄養の低下が発生を助長する要因として指摘されている。茨城県でも早生の「あきたこまち」を中心に背白粒の発生がみられ、今後温暖化の進行とともに玄米品質低下の主要因になると予想される。
  そこで、高温登熟条件下において背白粒の発生を低減させる穂肥窒素施用法を検討した。

[成果の内容・特徴]
1. 背白粒の発生は基肥窒素の影響が小さく、穂肥窒素の影響が大きい。穂肥窒素施用量が0〜0.4kg/aの範囲では、施用量が多いほど背白粒が減少する(図1)。
2. 背白粒は穂肥施用時期が遅くなるほど発生が減少する傾向を示し、出穂前9〜12日の施用は発生を最も減少させる。出穂前12日の穂肥施用であれば、タンパク質含量の増加や玄米重の低下も少ない(図2)。
3. 背白粒の発生が多い年次では、速効性窒素0.1kg/aに加え、被覆尿素30日タイプを窒素0.1kg/a同時に施用することで背白粒の発生をさらに抑制できる。タンパク質含量の増加は小さい(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 4月下旬移植した「あきたこまち」の中粗粒グライ土における結果である。
2. 穂肥施肥量が多くなると乳白粒、タンパク質含量が増加するので、施用量は地域の品質目標に合わせて考慮する。茨城県の場合、白米タンパク質含量の基準値は6.8%(乾物表示)以下であり、本成果は基準値を満たしている。また、速効性窒素による穂肥施肥量は0.2kg/aが標準である。
3. タンパク質含量は、粉砕した白米を近赤外分光光度計により測定した。搗精は白米白度が玄米白度+20になるよう行った。


[具体的データ]

図1 基肥・穂肥窒素量と背白粒発生率の関係(2004、2005年)
図2 穂肥施用時期と背白粒発生率の関係(左)、穂肥施用時期と白米タンパク質含量の関係(中)、穂肥施用時期と玄米重の関係(右)
図3 被覆尿素30日タイプの穂肥施用効果(2005年)

[その他]
研究課題名:早場米地帯における「あきたこまち」の良食味基準策定と高品質栽培法の確立
予算区分:県単
研究期間:2002〜2006年度
研究担当者:田中研一、狩野幹夫

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