サツマイモ新品種「べにはるか」の病害虫抵抗性及び貯蔵性


[要約]
サツマイモ新品種「べにはるか」は、主要病害虫であるつる割病に“強”、立枯病及びネコブセンチュウに“やや強”を示す複合的な抵抗性を持つ。また、貯蔵中の腐敗が少ない。

[キーワード]サツマイモ、べにはるか、病害虫抵抗性、貯蔵性

[担当]千葉農総研・北総園芸研究所・畑作園芸研究室
[代表連絡先]電話:0478-59-2100
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  サツマイモ「べにはるか」は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センターで育成された新品種(2007年9月に登録出願受理)である。本品種は、いもの外観や食味が優れ、千葉県における栽培適性も高い。一方、県内のサツマイモ産地では、つる割病、立枯病及びネコブセンチュウなどの土壌病害虫の被害が問題となっている。また、普通掘り主体の本県では貯蔵性の良否が重要である。そこで、主力品種「ベニアズマ」及び指標品種系統と比較した主要病害虫(つる割病、立枯病、ネコブセンチュウ)、貯蔵腐敗に対する「べにはるか」の抵抗性と貯蔵性を明らかにし、普及及び栽培管理上の参考資料とする。

[成果の内容・特徴]
1. 「べにはるか」は、つる割病の発生圃場においても発病がみられず、本病に対して強い抵抗性を持つ(表1)。
2. 立枯病に対してやや強い抵抗性を示す。しかし、本病に強い「ベニアズマ」に比べてやや劣る(表2)。
3. ネコブセンチュウに対してやや強い抵抗性を示し、本害虫に弱い「ベニアズマ」に比べて抵抗性が高い。また、収穫後土壌における線虫密度も「ベニアズマ」に比べて低くなる(表3)。
4. 「ベニアズマ」に比べて貯蔵中の腐敗いもの発生が少なく、「高系14号」と同様に貯蔵しやすい(表4)。

[成果の活用面・留意点]
1. 病害虫の抵抗性は、千葉県(香取市)の発生土壌で得られた検定結果である。
2. 現在の青果用品種のなかでは、減農薬栽培に適する。
3. 立枯病及びネコブセンチュウの汚染程度が高い圃場では、薬剤または耕種的防除が必要である。


[具体的データ]

表1 サツマイモつる割病の検定による「べにはるか」の抵抗性判定
表2 サツマイモ立枯病の検定による「べにはるか」の抵抗性判定
表3 サツマイモネコブセンチュウの検定による「べにはるか」の抵抗性判定
表4 貯蔵温度別の腐敗状況による「べにはるか」の貯蔵性判定

[その他]
研究課題名:病害虫抵抗性をもつ青果用カンショ系統の減農薬栽培における適性検定、カンショの病害等による品質劣化の要因解明と防止技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2004〜2007年度
研究担当者:高野幸成、猪野誠
発表論文等:高野幸成ら(2007) 植物防疫61:485-488

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