大麦のカドミウム吸収の品種・系統間特性


[要約]
非汚染ほ場、Cd添加土壌で栽培した大麦の子実中Cd含有率は、品種間差があり、Apam及びあまぎ二条等で高く、2727(GRIN)及び大系HL138-8-7等で低い傾向がある。

[キーワード]カドミウム、大麦、子実、品種間差

[担当]栃木農試・環境技術部・環境保全研究室
[代表連絡先]電話:028-665-7148
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料
[分類]技術・参考
 
[背景・ねらい]
  穀類(そば、小麦、米を除く)のカドミウム(Cd)の基準値は、CODEX委員会において0.1mg/kgが採択されたが、麦類のCd含有率の調査結果は希少で、実態は明らかになっていない。そこで、本県の主要農産物である大麦について、Cd吸収の品種・系統間特性を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 非汚染ほ場(0.1MHCl抽出Cd 0.20mgkg-1表1)で栽培した大麦の子実中Cd含有率は、0.01〜0.07mgkg-1の範囲に分布する。品種間の比較では、Apam、あまぎ二条及びカシマムギ等が高く、一方、2727(GRIN)、大系HL138-8-7、RisoM56及びSpartan等は低い傾向である(図1)。
2. 非汚染土壌にCdを添加(T-Cd 1.6mgkg-1、3.0mgkg-1)することにより、大麦の子実中Cd含有率は上昇する。Apam及びカシマムギは相対的に高く、2727(GRIN)、RisoM56及びSpartanは、相対的に低く、非汚染ほ場と同様の傾向である。これら低水準の3品種は、土壌中Cd含有率が3.0mgkg-1でも、0.01〜0.07mgkg-1である。一方、サチホゴールデン及スカイゴールデンは、非汚染ほ場での子実中Cd含有率は比較的低いものの、Cdの添加によって、相対的に高くなる傾向にある(図2

[成果の活用面・留意点]
1. 子実中Cd含有率は、栽培年次による差が大きかったが、品種間の傾向はおおむね同様だった。


[具体的データ]

表1 供試土壌のCd 含有率
図1 非汚染ほ場における大麦子実Cd 含有率の分布(H15〜H18)
図2 土壌中T-Cd 含有率と子実中Cd 含有率の関係

[その他]
研究課題名:大麦のカドミウム低吸収・低蓄積機構の解明
予算区分:受託(有害化学物質カドミウムプロジェクト)
研究期間:2003〜2007年度
研究担当者:亀和田國彦、中山恵、京島理恵

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