寒天ゲルを用いたミミズ運動観察法を利用した堆肥腐熟度検定方法


[要約]
寒天ゲルを用いてミミズの進入度を観察することで、簡便に堆肥腐熟度検定ができる。この方法で100%のミミズ進入度が得られる堆肥は、コマツナ・シャーレ発芽試験で高い発芽率が得られ、かつ堆積期間が長い堆肥である。

[キーワード]堆肥腐熟度、検定方法、ミミズ、寒天ゲル

[担当]神奈川農技セ・農業環境研究部
[代表連絡先]電話:0463-58-0333
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・土壌肥料
[分類]研究・参考

[背景・ねらい]
  堆肥の腐熟度検定法のうち、ミミズ法は簡便な方法として提唱されている。しかし、検定する試料と直接接触する従来ミミズ法は、高EC堆肥においては、ミミズが死滅するため、腐熟度の判定が困難となる。そこで、寒天ゲルを用いたミミズ進入度観察法を開発し、あらゆる堆肥に利用できる新手法を検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 0.4%寒天ゲルを用いることで、ミミズ(市販釣り餌用ミミズ)の進入度を容易に観察できる。
2. 検定する有機物を200mLトールビーカーに5gとり、融解した0.4%寒天溶液100mLのうち20mL程度を入れ、試料が底に沈んだことを確認した後に、残りの寒天溶液を静かに上乗せして注ぎ、有機物濃度勾配をもつゲルを作成する。1ビーカーあたりミミズを2頭入れ、3連で試験する。ビーカー下部を遮光し、25℃、光照射下に16時間静置した後、ゲル上端からミミズ頭部までの距離をゲル上端から下端までの距離で除して進入度を計測する(図1)。
3. この手法で、各種有機物(牛ふん[堆積期間:0.0〜12.0ヶ月12点],野菜屑[堆積期間:12ヶ月1点],コーヒー粕[堆積期間:0.5〜10.5ヶ月2点])を試料として検定すると、ミミズの進入度は、各種有機物のpH、ECに依存しない(図2)。
4. この手法により得られるミミズ進入度は、シャーレ法によるコマツナ発芽率と正の相関(R2=0.5145)を示す(図3a)。
5. この手法では、堆積期間が10ヶ月未満の試料におけるミミズ進入度に一定の傾向は見られないが、堆積期間が10ヶ月以上のすべての試料におけるミミズ進入度は、100%である(図3b)。
6. この手法では、シャーレ法によるコマツナ発芽率80%以上、かつ堆積期間10ヶ月以上の有機物でのみ、100%のミミズ進入度が得られる(図3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 乾燥資材を試料とする場合は、あらかじめ蒸留水を加え、含水率60%程度にしてから供試する。
2. 検定時の上方向からの光照射、およびゲル部分の遮光は、必須である。
3. 本試験では、供試資材が限られているので、評価事例を増やすことで、本法の精度向上を図る必要がある。


[具体的データ]

図1 測定手順
図2 各種有機物のpH(a),EC(b)とミミズ進入度
図3 各種有機物のコマツナ発芽率(a),堆積期間(b)とミミズ進入度

[その他]
研究課題名:堆肥の品質評価法の開発
予算区分:県単
研究期間:2005〜2007年度
研究担当者:武田甲、竹本稔

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