メロン黄化えそウイルスが幼苗期に感染したキュウリは約3割減収する


[要約]
カボチャ台木キュウリはメロン黄化えそウイルス(MYSV)が幼苗期に感染した場合、初期生育が抑制され、収量は収穫初期から3割程度減少するとともに、果実に退緑斑点等を生じ、商品価値が低下する。

[キーワード]キュウリ、キュウリ黄化えそ病、収量低下、品質低下

[担当]埼玉農総研・生物機能担当
[代表連絡先]電話:0480-21-2095
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・病害虫(病害)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  キュウリ黄化えそ病はミナミキイロアザミウマによって媒介されるウイルス病であり、その対策は媒介虫の防除が主である。このウイルス病を発症したキュウリは、栽培全般を通じて販売可能な果実が収穫できるため、感染株が取り除かれることが少なく汚染源となりやすい。しかし、その被害程度については不明な点が多いことから、このウイルスに感染した場合の被害状況を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. カボチャ台木キュウリはMYSVが幼苗期に感染すると初期生育が抑制され、接種28日後の草丈は、供試した4品種のいずれにおいても無接種株と比較して優位に低く、65〜81%にとどまる。また、収量は、いずれの品種も収穫始めから全般に少なく、調査した45日間では概ね3割減少する(表1)。
2. 一方、定植後における感染は、接種後20日程度で発病し始める。発病後約1か月間の収量は、品種間差異があり、また、有意差は認められないものの、減収傾向となる(表2)。
3. MYSVが感染した株から収穫した果実は、時に退緑斑点を生じるが、同一株内かつ同時期の収穫果実においても発症の有無や程度に差異が認められる。また、収穫後日数の経過に伴い、退緑斑点は黄化して顕著となる(図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. MYSVの感染時期が早いほど、収量への影響が大きいと思われる。
2. 作型や品種、収穫期間の長期化などにより、数値が変動する可能性がある。
3. 果実病徴の黄化は、保存温度が高いほど早まる。


[具体的データ]

表1 キュウリにおけるメロン黄化えそウイルスの幼苗期感染が初期生育と収量に及ぼす影響
表2 キュウリにおけるメロン黄化えそウイルスの定植後感染が収量に及ぼす影響
図1 メロン黄化えそウイルスが感染したキュウリ果実の収穫後の病徴(4℃保存)A:収穫直後、B:収穫1 週間後、C:収穫2 週間後、D:収穫2 週間後の健全果実

[その他]
研究課題名:地域特産作物の効率的病害虫防除に関する農薬及び被農薬手法の開発と普及
予算区分:県単
研究期間:2005〜2007年度
研究担当者:宇賀博之

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