香りに優れ、安定多収栽培のためのそばの収穫時期と仕上げ水分


[要約]
そばは黒化率70〜80%の成熟期に収穫すると収量が安定して高く、香りに優れる。また、そば粉の色相やそばの香りを保持するため、収穫後の乾燥仕上げ水分は15%とする。

[キーワード]そば、黒化率、香り、収穫、水分

[担当]新潟農総研・作物研
[代表連絡先]電話:0258-35-0893
[区分]関東東海北陸農業・北陸・水田作畑作
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
  国産そばは優良品種の作付けにより品質や風味に優れている。しかし、生産ロットが小さいため、収穫時期や乾燥調製に生産者によるばらつきが大きく、実需者の求める品質や風味を満たさないそばも多い。そこで、収穫時期や収穫後の調製がそばの収量及び品質に与える影響を明らかにし、高品質なそば生産を実現する。

[成果の内容・特徴]
1. 成熟期を越えると脱粒により減収するため、黒化率70〜80%(成熟期)頃の最も収量が高まる時期に収穫する(図1写真)。
2. 玄そばの乾燥仕上げ水分が13%よりも低い場合、そば粉は赤み(a*値)が増して、品質が低下するので過乾燥にはしない(表1)。
3. 成熟期(黒化率78%)に収穫したそばは香りに優れ、その後は黒化率の高まりとともに香りが劣る傾向がある(表2)。また、乾燥仕上水分は15%程度が香りに優れ、11%の過乾燥や17%の乾燥不足のそばではそば粉の香りが劣る傾向が見られる(表2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 黒化率70〜80%(成熟期)のコンバイン収穫は、従来の収穫時期(黒化率90%)に比べて、茎水分が高く、残葉も多いため、茎葉が詰まらないように、刈取速度を抑えて収穫する。
2. 収穫時期の早期化により未熟粒が混入しやすいので丁寧な選別調製を行う。


[具体的データ]

図1 黒化率と収量の関係(とよむすめ・坪刈収量) 写真 各黒化率における収穫物
表1 そば粉の色相(2004〜2006年・とよむすめ)
表2 黒化率および仕上水分の違いによるそばの香り評価

[その他]
研究課題名:栽培環境の変動に対応した主要農作物の高品質栽培管理技術の確立
予算区分:県単経常
研究期間:2004〜2006年度
研究担当者:服部誠、佐藤徹、市川岳史、田村隆夫
発表論文等:1)服部ら(2007)平成19年度新潟県農林水産業研究成果集:13-14
                  2)服部ら(2008)北陸作物学会報43:(印刷中)

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