炊飯米の外観が良い良質・極良食味水稲新品種候補系統「北陸200号」


[要約]
「北陸200号」は、寒冷地南部では晩生の晩に属する粳種であり、良質で「コシヒカリ」並の極良食味である。炊飯米の外観が良いため、加工米飯やおにぎり等への適性が期待される。

[キーワード]イネ、極良食味、高品質

[担当]中央農研・低コスト稲育種研究北陸サブチーム
[代表連絡先]電話:029-526-3239
[区分]作物、関東東海北陸農業・北陸・水田作畑作
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
  「食の外部化」の進展により,今や主食用米需要の3割弱を外食・中食産業が占める状況となり、今後も増加するものと予想され、加工米飯やおにぎり等に適する米の開発が求められている。一方、寒冷地南部では、近年の温暖化傾向による米の品質低下が問題になっており、これに対処するため、作期分散を可能にする晩生品種の開発が求められている。そこで、炊飯米の外観が良く、加工用にも利用しやすい晩生の極良食味品種を育成する。

[成果の内容・特徴]
1. 「北陸200号」は、1996年に北陸農業試験場(現中央農業総合研究センター・北陸研究センター)で良質・極良食味の晩生品種の育成を目的として、晩生の優良系統「北陸174号」と「中部98号」を交配した後代から育成された系統である。
2. 出穂期・成熟期は「日本晴」よりやや早い“晩生の晩”に属する。稈長は、「日本晴」並の“中”、穂長は“中”、穂数は「日本晴」よりやや少ない“中”、草型は“中間型”である。耐倒伏性は「日本晴」並の “やや強”である。収量性は、「日本晴」よりやや多収である(表1)。
3. 玄米千粒重は約25gで、「日本晴」よりやや重い“やや大”である。玄米の外観品質は、「日本晴」と同等で“中の上”と判定される(表1)。
4. 食味試験の結果は、外観で「コシヒカリ」よりやや優れ、うま味は「コシヒカリ」並で、硬さは「コシヒカリ」よりやや軟らかく、総合判定で「コシヒカリ」並である。炊飯米の保水膜の量を表す味度値は「コシヒカリ」よりやや高い(表2)。
5. いもち病真性抵抗性遺伝子はPiiを持つと推定され、葉いもちおよび穂いもち圃場抵抗性は“やや強”である。穂発芽性は “中”であり、穂孕期の障害型耐冷性は“強”である(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 外観が良く食味が良いため、加工米飯やおにぎり等への加工利用が期待される。
2. 粒大が大きいため、急激な乾燥を避け、胴割れの発生に注意する。
3. 穂発芽性が“中”であるため、適期刈り取りに努める。
4. 縞葉枯病には“罹病性”であるため、常襲地での栽培には注意する。


[具体的データ]

表1. 「北陸200 号」の特性一覧
表2. 「北陸200 号」の食味試験成績

[その他]
研究課題名:直播適性に優れ、実需者ニーズに対応した低コスト業務用水稲品種の育成
課題ID:311-a
予算区分:基盤、加工業務用4系
研究期間:1996〜2007年度
研究担当者:三浦清之、笹原英樹、後藤明俊、重宗明子、上原泰樹、太田久稔、
                  清水博之、福井清美、大槻 寛、小牧有三

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