白色の八重咲きチューリップ新品種「砺波育成116号」(仮称)の育成
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[要約] |
花色が白色の八重咲きチューリップ「砺波育成116号」を育成した。本品種は花冠中央部が盛り上がる花型をもち、草丈が高く花茎が強健な八重咲きで花壇植えに適する。また、促成栽培では1月上旬から安定して開花する。 |
[キーワード]チューリップ、白色、八重咲き、花壇植え、促成栽培 |
[担当]富山農総セ・園研・花き課
[代表連絡先]電話:0763-32-2259
[区分]花き、関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及 |
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[背景・ねらい] |
チューリップ品種の中で、促成栽培が可能な白色の八重咲き品種は少ない。また、八重咲き品種は、風雨の後に花茎が折れたり、曲がったりするものが多い。
そこで、白系の花色を持つ花茎が強健な八重咲きで、促成栽培が可能な品種を育成する。
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[成果の内容・特徴] |
1. |
育成経過 1988年に、白色に桃色覆輪で促成適応性がある「Rose Beauty」を種子親とし、黄色の八重咲き品種「Monte Carlo」を花粉親とした交配によって得られた818粒を播種して実生養成した。1993年に、これらの実生系統の中から花型、花色及び草姿の優れた本系統を選抜して球根増殖を行った。2005年に「砺波育成116号」の系統名を付与し、2007年から3年間、育成地のほか全国6場所(農研機構・北海道農業研究センター、新潟県農業総合研究所、農研機構・花き研究所、埼玉県農林総合研究センター、愛知県農業総合試験場、農研機構・九州沖縄農業研究センター)での系統適応性検定試験に供した結果、優良と認められた。 |
2. |
露地での開花日は対照品種「Monte Carlo」より約2週間遅く、育成地での開花期は4月下旬である。花色は八重咲きとしては数少ない白色で花冠の中央部が盛り上がる花型である。対照品種「Monte Carlo」と比べて、花弁長は短いが、茎長は長く、花茎は太くて強健である。露地での茎長は20cm以上となり、観賞期間は2週間程度あることから、全国各地の花壇植えに適する(図1,表1)。 |
3. |
球根収穫期は6月中旬で、主球の肥大性は「中」である。対照品種「Monte Carlo」と比べて、分球性、収量性は高い(表2)。 |
4. |
花芽分化が緩やかに進行するため花芽完成時期が8月下旬以降となり(データ略)、促成栽培での開花は年内は難しく、1月上旬以降に安定して開花する(表3)。 |
5. |
球根腐敗病、微斑モザイク病に対する抵抗性は「中」程度である(データ略)。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
全国の花壇栽培及び日本海側の球根生産地に適する。 |
2. |
新たな品種名を決めて品種登録出願予定。 |
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[具体的データ] |
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[その他] |
研究課題名:新規高品質、病害抵抗性、多収のチューリップ品種の育成
予算区分: 指定試験
研究期間:1988〜2009年度
研究担当者:浦嶋 修、國重 正昭、岡崎 桂一、村上 欣治、今井 徹、辻 俊明、
木津 美作絵、飯村 成美、池川 誠司、西村 麻実、井上 徹彦、天橋 崇
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