温暖地での帰化アサガオ類の出芽開花結実時期に基づく圃場周辺の要防除時期


[要約]
帰化アサガオ4種は10〜15℃から発芽可能で、温暖地では4月中旬頃から出芽する。4月中旬の出芽では6月中、5月下旬以降の出芽では8月以降に開花を開始する。圃場周辺の種子生産防止には6月上旬、8月中旬、9月下旬の少なくとも3回の防除が必要である。

[キーワード]帰化アサガオ、雑草、圃場周辺、種子生産防止

[担当]中央農研・カバークロップ研究関東サブチーム
[代表連絡先]電話:029-838-8522
[区分]共通基盤・雑草、関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
帰化アサガオ類は大豆作において有効な防除手段がなく、近年、温暖地以西で大きな被害をもたらしている。マルバルコウ、ホシアサガオ、マメアサガオ、マルバアメリカアサガオの4種は大豆圃場周辺の農道、畦畔際等に混在して定着し、圃場内への侵入源となっている。帰化アサガオ類の蔓延を阻止するには、種子生産を防止する必要があり、防除を効率的に行うため、九州地域では大豆圃場での発生を想定した6月下旬以降の出芽個体の開花結実特性が明らかにされている。しかし、圃場周辺ではこれら4種は6月以前から出芽していることから、出芽可能期間における開花・結実時期を明らかにし、混在して生育している場合の種子生産防止に必要な防除時期を推定する。

[成果の内容・特徴]
1. マルバルコウとホシアサガオは10℃から、マメアサガオとマルバアメリカアサガオは15℃から発芽できる(図1)。温暖地では4種は日平均気温が10〜15℃になる4月中旬頃から出芽し、10月下旬頃まで出芽する(図2)。
2. 4月中旬に出芽した帰化アサガオ類4種はいずれも6月中に開花を開始する。したがって、種子生産を防止するには、開花・結実時期の早いマルバルコウに合わせて、まず6月上旬の防除が必要である(図2、矢印A)。
3. 5月下旬〜7月下旬の2ヶ月間に出芽した個体では、マルバルコウは8月上旬〜9月上旬、マルバアメリカアサガオは8月中旬〜9月上旬、ホシアサガオは8月下旬〜9月中旬、マメアサガオは8月下旬〜9月上旬に集中して開花を開始する。6月上旬以降に出芽した個体の種子生産を防止するには、開花・結実時期の早いマルバルコウに合わせて、8月中旬の防除が必要である(図2、矢印B)。
4. 8月中旬以降に出芽した個体は9月中旬以降に開花を開始する。このうち9月中〜下旬に出芽した個体は10月中旬以降に開花するが、結実に至らず、10月下旬に出芽した個体は開花に至らない。したがって、8月中旬以降に出芽した個体の種子生産を防止するには、9月下旬の防除が必要である(図2、矢印C)。
5. 温暖地でこれら4種が混在して圃場周辺に生育している場合、種子生産を防止するためには、開花開始後、結実開始前の6月上旬、8月中旬、9月下旬の少なくとも3回の防除が必要である(図2)。

[成果の活用面・留意点]
1. 温暖地における帰化アサガオ類の圃場周辺の防除時期の指導に活用できる。防除は、帰化アサガオ類に有効な非選択性茎葉処理剤の処理や抜き取りで確実に行う。刈り取りでは再生することがある。
2. 本成果は中央農研(茨城県つくば市)での試験により得られたものである。
3. 帰化アサガオ類には種内変異が報告されており、開花時期が大幅にずれる集団が見つかった場合には防除時期を再検討する必要がある。

[具体的データ]
図1 帰化アサガオ4種の発芽可能温度

図2 帰化アサガオ4種の出芽時期による開花・結実開始時期
 
[その他]
研究課題名:カバークロップ等を活用した省資材・環境保全型栽培管理技術の開発
中課題整理番号:214c
予算区分:基盤、委託プロ(温暖化)
研究期間:2006〜2009年度
研究担当者:澁谷知子、浅井元朗、渡邊寛明、黒川俊二、中谷敬子、三浦重典
発表論文等:澁谷ら(2008)雑草研究、53(4):200-203

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