みえ特産鶏への飼料用米給与は、若齢から開始するほど嗜好性が良い


[要約]
肉用鶏「みえ特産鶏」に肉用鶏配合飼料の20%を飼料用米(籾米)に置き換えて給与する場合、早期から飼料米添加飼料に切り替えた方が嗜好性が良く、飼料摂取量が増え、発育成績が向上する傾向にある。 

[キーワード]肉用鶏、飼料用米(籾米)、添加期間、嗜好性

[担当]三重畜研・中小家畜研究課
[代表連絡先]電話:0598-42-2207
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
輸入飼料依存体質から国産飼料利用割合を高めていくためには、飼料用米の利用は有効な方策の一つである。鶏では、筋胃の働きにより玄米でなく籾米のままでも充分に消化可能であることが分かっている。今後、国策により飼料用米の作付が大幅に増加することが見込まれる中、飼料用米利用方法として、小規模な地鶏生産経営において肉用鶏配合飼料への直接添加方法の検討が行われている。そこで、肉用鶏配合飼料の一部を飼料用米(籾米20%)に置き換えた飼料を用い、給与開始時期を変化させて、給与期間の長短が発育性等に及ぼす影響を調査する。

[成果の内容・特徴]
1. 三重県が開発した特産鶏「みえ特産鶏」を各区雄雌計60羽を1月上旬〜4月下旬(15週間)に供試した成績である。
2. 肉用鶏配合飼料の20%を飼料用米と置き換えた飼料を用いると、早期に飼料用米配合飼料に切り替え長期間給与するほど、飼料切替直後及び肥育後半の飼料摂取量の低下が抑制され、総飼料摂取量が増加し、出荷時の体重も増加する傾向がある。(図1表1)。
3. 筋胃重量は、飼料用米を最も長く給与した場合に筋胃が発達して大きくなる(表1)。
4. 飼料用米を長期間給与するほど、腹腔内脂肪が増加する(表1)。
5. 飼料用米を長期間給与するほど、脂肪色はb値(黄色度)が低下する傾向で白色化傾向が認められる(表1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 飼料用米は、飼料用イネ専用品種「はまさり」で、籾米のまま未処理で供試している。
2. 籾米の使用については「飼料として使用する籾米への農薬の使用について」(平成21年4月20日付け農林水産省消費・安全局、生産局四課長通達)に留意する。

[具体的データ]

(佐々木健二)

[その他]
研究課題名:飼料専用イネの穀実を給与した地域銘柄畜産物の開発
予算区分:県単
研究期間:2008〜2010年度
研究担当者:佐々木健二、巽 俊彰、西 康裕

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