長草型飼料作物と牧草を利用したワルナスビの耕種的防除
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[要約] |
草地において、強害雑草であるワルナスビの繁茂が問題視されているが、生育速度が速く被覆率の高いイタリアンライグラス(IRG)+スーダングラス(SG)、リードカナリーグラス(RCG)を作付けすることで一定の防除効果が得られる。 |
[キーワード]ワルナスビ、耕種的防除、除草 |
[担当]石川畜総セ・資源安全部
[代表連絡先]電話:0767-28-2284
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(草地)
[分類]技術・参考 |
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[背景・ねらい] |
近年、公共牧場や酪農家の牧草地では外来雑草が繁茂し、飼料作物の収量、嗜好性が低下している。薬剤によるワルナスビの有効な防除法はなく、一旦、圃場に侵入すると増殖を阻止することは困難である。そこで、ワルナスビの日陰に弱い特性を利用し、生育が早く被度の高い長草型飼料作物等の栽培によりワルナスビの耕種的防除法を開発する。 |
[成果の内容・特徴] |
1. |
刈り払いしない放置圃場でのワルナスビの生育特性は、萌芽は4月下旬から5月中旬、開花は6月中旬、結実は7月初中旬である。また、刈り払いすれば数回萌芽を形成し開花までに至る。また、一般草地での一番草刈り取り時のワルナスビは軟弱徒長傾向となる(表1)。 |
2. |
ワルナスビは被覆に弱いとされることから、牧草立毛内と遮光ネット内の照度を計測すると、裸地上では31,700ルクスとなるが、遮光ネット内と飼料作物内の照度は低く、特にSG立毛内は500ルクスと低い(図1)。 |
3. |
遮光ネット下のワルナスビ生育については、遮光95%区は50%区より根の乾物収量は低く、遮光率が高くなるほど乾物収量は低くなる傾向となり、遮光率が高くなる程ワルナスビの生育抑制ができることが証明される(図2)。 |
4. |
IRG(散播)+SG区(散播)は対照区(混播牧草散播)に比較して、ワルナスビの生育を阻害し、植付け2年目で根が消失する(図3)。また、RCG区(散播)のワルナスビ根は対照区に比べ生育が遅延する(図4)。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
生育速度が早く、多く被覆できるIRG+SGおよびRCGを作付けして、ワルナスビの繁茂拡大を防止できることが示唆される。 |
2. |
IRG+SGおよびRCG導入によっても、ワルナスビの完全防除は不可能と予測されるので、薬剤防除を取り入れながら防除体型を組む必要がある。 |
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[具体的データ] |
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注:1 調査区はワルナスビ切断根長10cm、直径7〜15mmを地下10cm埋め込み
注:2 IRG+SGは各年播種(鍬耕起)、全てのRCGは3年間の調査区を初年度に播種
注:3 播種量はIRG全区0.25kg/a、SG普通播区は1kg/a、SG厚播区は1.5kg/a
RCG普通播区0.15kg/a、RCG厚播区0.3kg/a
(表 俊雄)
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[その他] |
研究課題名:長草型飼料作物と牧草を利用したワルナスビの耕種的防除に関する研究
予算区分:県単
研究期間:2007〜2010年度
研究担当者:表 俊雄、堂岸 宏
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