雑草性赤米に効果のある除草剤体系と作用特性


[要約]
雑草性赤米の発生ほ場における有効な除草剤を選定した。除草剤の効果を得るためには雑草イネの出芽直後までに処理する。雑草イネの発生が一斉でないため体系処理が必要である。

[キーワード]雑草イネ、赤米,除草剤,防除

[担当]長野農試・作物部
[代表連絡先]電話:026-246-9783
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・水田作畑作
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
雑草性赤米(以下雑草イネ)の防除対策について直播栽培での多発に対しては移植転換を行い、除草剤プレチラクロールの処理や晩期代かき・移植の効果があることをすでに関東東海研究成果情報(2002年、長野県)とした。新たに移植栽培において効果の高い除草剤やその利用方法、作用特性を検討した。

[成果の内容・特徴]
1. 初期剤ではブタクロール乳剤、オキサジアゾン・ブタクロール乳剤、テニルクロール水和剤、オキサジアルギル粒剤、プレチラクロール乳剤(既知)が有効である(表1)。
2. 初中期剤ではインダノファン・クロメプロップ・ベンスルフロンメチル水和剤、プレチラクロール・ピリフタリド・ベンスルフロンメチル水和剤、ピラゾキシフェン・プレチラクロール・シメトリン粒剤、プレチラクロール・エスプロカルブ・ジメタメトリン・ピラゾスルフロンエチル粒剤、カェンストロール・ベンゾビシクロン水和剤、メフェナセット・ブロモブチド・ピラゾレート粒剤、ベンフレセート・フェントラザミド・ベンゾフェナップ粒剤が有効である(表1)。
3. 中期剤ではベンフレセート・ピリミノバックメチル・MCPB・シメトリン粒剤、ベンフレセート・MCPB・シメトリン・シハロホップブチル粒剤、メフェナセット・MCPB・シメトリン粒剤粒剤が有効である(表1)。
4. 出芽ステージ別では出芽前から出芽直後処理において出芽抑制効果を示した剤が、1葉期の処理では効果が激減し、2葉期処理では出芽・生育抑制効果がほとんどなくなる(表1)。
5. 湛水直播で雑草イネが多発した場合、移植転換し、有効な成分を含有する初期・初中期剤と中期剤の体系防除に加え手取り除草を行うと、翌年に雑草イネの発生は1/160、2年目には1/9,000に抑制でき、3年目以降の発生は皆無となる(表2、データ略)。

[成果の活用面・留意点]
1. ほ場に脱落した雑草イネ種子は3年目までに死滅するので(2009年、関東東海北陸研究成果情報、長野県)、地上防除を確実に行うことで新たな侵入がない場合、そのほ場から根絶させることが可能である。
2. 少なくとも雑草イネの出芽は中期剤処理の頃(普通期栽培の6月上旬)まで続くので体系防除が必要である。
3. 本情報の雑草イネはDタイプが主体である。

[具体的データ]
表1 雑草イネに対する除草剤の処理時期別効果、無処理区処理対比%
表2 雑草イネに対するほ場での除草剤の効果

(長野県農業試験場)

[その他]
研究課題名:水稲、麦、大豆等普通作物の栽培に関する素材開発研究
予算区分:県単
研究期間:2005〜2010年度
研究担当者:酒井長雄、青木政晴、土屋学

目次へ戻る