露地イチジクで発生する果実腐敗の原因究明と防除対策
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[要約] |
愛知県の露地イチジクで発生する果実腐敗は、酵母腐敗病、疫病、黒かび病、炭疽病および灰色かび病が原因である。疫病は、アゾキシストロビン水和剤、TPN水和剤の防除効果が高い。黒かび病は、イプロジオン水和剤の防除効果が高い。 |
[キーワード]イチジク、果実腐敗、疫病、黒かび病、酵母腐敗病、防除薬剤 |
[担当]愛知農総試・環境基盤研究部・病害虫グループ
[代表連絡先]電話:0561-62-0085
[区分]関東東海北陸農業・関東東海・病害虫(病害)
[分類]技術・普及 |
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[背景・ねらい] |
各種病害による露地イチジクの果実腐敗が問題になっているが、関与する病原とその発生生態は未解明であった。そこで、有効な農薬の登録取得を目的として、原因となる病害名、発生時期と発生割合を調査し、併せて今後の防除対策の知見とする。 |
[成果の内容・特徴] |
1. |
愛知県における露地イチジクの果実腐敗は、酵母腐敗病、疫病、黒かび病、炭疽病および灰色かび病が原因である(表1)。 |
2. |
発生量が多く問題となる果実腐敗は、主に酵母腐敗病と疫病、次いで黒かび病、炭疽病が原因であり、灰色かび病の発生は非常に少なかった(表1)。 |
3. |
疫病は、梅雨期から夏期まで多雨の2003年に多発し、梅雨期から10月上旬まで発生が継続した(図1)。一方、夏期が小雨の2004年と2005年は、発生が非常に少ないか、発生が認められなかった(表1、図1)。 |
4. |
酵母腐敗病と黒かび病は、成熟果に発生し、9月を中心に、8月下旬から11月上旬までが発生時期であった(図2、3)。 |
5. |
疫病に対する防除薬剤として、アゾキシストロビン水和剤1000倍(2004年2試験の防除価は100.0と97.4)とTPN水和剤2000倍(2004年2試験の防除価は93.4と92.6)の防除効果が高い。黒かび病に対する防除薬剤として、イプロジオン水和剤1000倍(2004年2試験の防除価は100.0と87.1)の防除効果が高い。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
本研究における発生生態の知見を元に、各種病害に対する有効薬剤を明らかにし、疫病を対象に2剤、黒かび病を対象に1剤の農薬登録に結びつけた。 |
2. |
露地イチジクの防除対象病害と防除時期を決めるときの参考になる。 |
3. |
酵母腐敗病は、ショウジョウバエ類が媒介するのでショウジョウバエ類の発生に注意し、ショウジョウバエ類の防除を実施する。 |
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[具体的データ] |
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[その他] |
研究課題名:露地イチジクの果実腐敗果発生消長
予算区分:県単
研究期間:2003〜2005年度
研究担当者:三宅律幸
発表論文等:三宅ら(2005)関西病虫研報、47:87-89
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