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コラム

2008.03.31 宮ノ下 明大
抗生物質をつくるチャイロコメノゴミムシダマシ
昆虫類は病気から身を守るために独自の免疫システムを進化させてきました。
このシステムは、生物のなかで圧倒的な種類数を誇る昆虫類繁栄の秘密のひとつだったのでしょう。
チャイロコメノゴミムシダマシ
食品害虫のチャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitorの幼虫の体液から、細菌を殺すタンパク質「テネシン1」が1994年に発見されました。 テネシン1は幼虫の体液中に細菌感染に伴って素早く生産され、主に黄色ブドウ球菌などのグラム陽性細菌を殺すことができます。 抗菌性タンパク質の働きは、昆虫がもつ代表的な免疫システムのひとつです。

抗生物質
  その後、テネシン1とよく似た構造をもつタンパク質が次々に昆虫から発見されました。
1996年には、カブトムシの幼虫の体液から院内感染の原因であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して殺菌効果をもつディフェンシンというタンパク質が発見されました。
現在、院内感染症を治療する医薬品として応用が期待されています。
テネシン1は、ディフェンシンと呼ばれるタンパク質と共通の構造をもっており、MRSAに対する殺菌効果があっても不思議ではありません。当時、研究者がMRSAに対する効果を確認していれば、チャイロコメノゴミムシダマシは医学の分野で注目される虫だったかもしれません。
近年、昆虫からは細菌、カビ、がん細胞を殺すタンパク質が発見されています。これらの遺伝子を作物に導入して、細菌が原因となる病気に強い作物も誕生しています。
昆虫の可能性 




 
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