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コラム

2008.05.30 曲山 幸生
食料自給率
先日(2008年4月)、一色賢司北海道大学教授の食品安全に関する講演を聴講する機会に恵まれました。
一色先生は、内閣府食品安全委員会事務局次長も務めたこともある、食品安全の大家です。講演は多岐にわたって含蓄に富んだ内容でした。ここでは、印象に残ったことを、私見も交え、簡単に紹介します。

食料自給率
人類にとって最大の課題は、安全な食料の安定的な確保でしょう。そのために、私たちの先祖は、はるか昔から様々な工夫を続けてきました。
動植物の可食部を選抜し、残りの部分も調理によって食べられるようにし、品種改良によっておいしく食べられる部分を大きくし、入手した食料を発酵燻製塩蔵などにより長期保存できるようにしたのです。
今日の日本では、温室栽培や冷蔵・冷凍など、さらに洗練された手法に加え、世界中から食料を輸入することによって、努力せずに1年中豊かな食生活を送ることができるようになっています。

豊かな食生活を当然と感じるようになった私たちですが、人類の歴史に比較すると、この変化はあまりにも急激です。豊かな生活と引き換えに、世界との役割分担を極端に進めた結果、日本の食料自給率はカロリーベースで40%を割ってしまいました。
この数値は先進国では珍しく低いものです。また、食卓に並ぶ食品がどのような経路を経て目の前にあるのか、たいへんわかりにくくなりました。この状況は行き過ぎかもしれないと考え、農林水産省などは食料自給率向上に向けた取組みをおこなっています。
 
日本の食料
人類の歴史は分業化の歴史でもあります。豊かな生活を送るためには、効率よく物資を生産する必要があり、分業はそのための方策のひとつです。分業化を極限まで進めたとき、国別の食料自給率という考え方は意味がなくなるでしょう。
しかし、分業は相互の信頼の上に成り立つ仕組みです。国別食料自給率が無意味なほどには、今日の人類は成熟していません。

日本が今どの程度食料自給率向上に力を入れるべきか、たいへん難しい判断です。世界中の人々がお互いを信頼し、個人の利益と全体の利益が連動する世の中に向かって、各界のリーダーが努力してほしいと願っています。
連携 

 
参考文献





 
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