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コラム

2008.07.04 今村太郎
花に集まる貯穀害虫
春になると様々な花が咲き、そこにはいろいろな虫が集まります。その中に貯穀害虫やその仲間を見かけることもあります。

2008.5.7撮影:ヒメマルカツオブシムシ
写真(←)は食品総合研究所内のコデマリの花粉を食べているところです。

最も頻繁に見られるのはヒメマルカツオブシムシで、春から初夏にかけていろいろな花の上で花粉を食べているところを見ることができます。
ヒメマルカツオブシムシは衣服の害虫として非常に重要ですが、精米所などで幼虫が屑米を食べているのを見ることもあります。


 
2008.5.7撮影:シロオビマルカツオブシムシ
この写真(→)は、同じくコデマリの花粉を食べているシロオビマルカツオブシムシです。ヒメマルカツオブシムシと同じカツオブシムシの仲間で、標本などの乾燥動物質の害虫です。









2008.5.7撮影:マメゾウムシの1種
これ(←)も同じくコデマリの花粉を食べている野外型マメゾウムシの1種です。
この虫は貯蔵豆を加害しないので貯穀害虫ではありませんが、マメゾウムシの仲間にはアズキの大害虫のアズキゾウムシがおり、アズキゾウムシも7~10月頃に花を訪れて花粉を食べます。米の害虫として極めて有名なコクゾウムシも4~6月頃に白い花に集まることが知られています。
アズキゾウムシタバコシバンムシのような貯穀害虫の成虫に餌として花粉と水を実験的に与えてみると、寿命が延びたり産卵数が増えたりすることが報告されています。花は貯穀害虫にとって非常に重要な栄養源になっているようです。

人間が農耕を始め、収穫物を貯蔵するようになってから、貯穀害虫としての生活が始まったのですが、それ以前に貯穀害虫がどうやって生活していたのかは全く知ることができません。また、貯穀害虫は野外でも生活をしていることが知られていますが、その野外での生態はほとんど解明されていません。花の上は貯穀害虫を野外で観察できる数少ない機会の一つであり、野外での貯穀害虫の生態を解明する鍵になっているかもしれません。

参考文献

  • Yoshida, T. & Takuma, T. (1959) Appl. Entomol. Zool. 3(4): 281-285.
  • Shinoda, K. & Yoshida. T. (1990) In Bruchids and Legumes: Economics, Ecology and Coevolution (Fujii et al. eds). Kluwer Academic Publishers, London, pp. 149-159.
  • Shinoda, K. & Fujisaki, K. (2001) Appl. Entomol. Zool. 36(2): 219-223.




 
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