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コラム

2012.05.21 宮ノ下明大
ミールワームとジョディ・フォスター

2008年に劇場公開された映画『幸せの1ページ』は、引きこもりで潔癖症の女性作家が、無人島で暮らす少女から助けを求められ、悪戦苦闘の末、駆けつけるというハートフル・アドベンチャー映画です。

冒険小説のベストセラー作家であるアレクサンドラをジョディ・フォスターが演じています。強い女性を演じることの多いジョディ・フォスターですが、本作品では郵便受けまで行くのにも一苦労という潔癖症で気弱な女性を楽しそうに演じているのが印象的です。

映画の中の昆虫料理
映画の後半、やっとの思いで無人島に到着したアレクサンドラは少女と食事をしますが、無人島で自給自足の生活をする少女が作った料理は昆虫入りの炒め物でした。その具材となったのが食品害虫のチャイロコメノゴミムシダマシの幼虫です。昆虫食は無人島でのサバイバル料理として最もイメージしやすいので、この場面で昆虫料理が登場したのでしょう。

映画には森の土を掘って幼虫を採集する部分がありますが、チャイロコメノゴミムシダマシの幼虫は土中に生息していません。この幼虫が映画で使われた理由は、『ミールワーム』という名前で小動物の餌として販売されており、撮影のため、いつでも大量に購入できる虫として便利だったからと考えられます。

チャイロコメノゴミムシダマシの幼虫
ミールワームは昆虫料理の材料としても知られ、アメリカでは餌に有機野菜を加えて育てたものを食用に生産する会社があるといいます。実際に食用になる点も、映画で使われた理由のひとつかもしれません。味は、トウモロコシに似ているそうです。
映画で昆虫入りの炒め物を食べたアレクサンドラは、「硬いわ、噛み応えがある、結構いけるわ」と微妙な表情で言います。
チャイロコメノゴミムシダマシの白い蛹
ジョディ・フォスターがこの料理を実際に食べたとは考えにくいですが、私はこの感想はかなり正しいと思います。ミールワームの皮膚は硬く、映画のような炒め物では柔らかくならないと思われるからです。ただ「結構いける」かどうかは個人次第です。
ミールワームは、さなぎを経て成虫になります。もし食べるなら、白くて柔らかい成り立てのさなぎが最も美味しいだろうと私は思いますが、試したことはありません。

チャイロコメノゴミムシダマシの成虫

私達の研究ユニットでは、ミールワームを小麦全粒粉で飼育して研究に使っています。日本ではなぜかチャイロコメノゴミムシダマシは害虫として問題になりません。その代わり近縁種のコメノゴミムシダマシが精米施設等で害虫として発生することがあります。




 
参考文献

  • 宮ノ下明大(2011)映画における昆虫の役割Ⅱ、都市有害生物管理1(2):147-161.



 
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