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コラム

2012.11.26 今村太郎
同定は難しい


同定
ある昆虫の個体を入手した際、その個体の種が何であるかを決めることを同定と言います。 同定する際にはその個体の特徴がどの種に当てはまるかを見て行くことになります。

これを順序立ててやる場合は検索表を用い、検索表に従って順番に特徴を確認していけば種が同定できます。当サイト上の「この虫何?」というページは、貯穀害虫同定のための簡単な検索表になっています。



ノシメマダラメイガ成虫の特徴
ノシメマダラメイガ成虫の前翅の模様
ただし、ノシメマダラメイガ成虫の場合は前翅の模様が極めて特徴的であり、翅の鱗粉が残っていればその模様から一目で分かってしまいます。このようにはっきりとした特徴を持つものの場合は同定は簡単です。
しかしながら全ての昆虫がこのような一目で分かる特徴を持っているわけではなく、正確に同定できるようになるためには知識と訓練が必要です。


先日、あるところで蛾の幼虫を採集しました。
貯穀害虫として知られている蛾の幼虫は実体顕微鏡下で刺毛気門などを観察して同定する必要があるのですが、見慣れると全体的な感じでどの蛾の幼虫であるかが分かるようになってきます。


スジマダラメイガとノシメマダラメイガの幼虫比較
スジマダラメイガ(左)とノシメマダラメイガ(右)の幼虫の比較

それで自分自身の経験からスジマダラメイガの幼虫であろうと判断したものの、念のため成虫を見ておこうと思い、餌の玄米を与えて飼育してみました。
そして成虫が出てきたのですが、見慣れない模様で困ってしまいました。

研究所の虫と採取した虫
どちらも同じ条件で飼育し、同じ条件で撮影

やはりスジマダラメイガが一番近いのだろうとは思ったのですが、私が飼っているスジマダラメイガの成虫はたいてい翅が茶色っぽくて、前翅の帯状紋の色の濃い部分はぼやけています。それに対し、採集してきた蛾は翅が灰色っぽくて、帯状紋が太く、赤い鱗粉も目立ちます。

近縁の別種である可能性がある場合は、外部形態だけで判断してしまうと同定ミスにつながるので、解剖して交尾器などを確認する必要があります。 それで、分類学者に蛾を送って見てもらったのですが、やはりスジマダラメイガで正解でした。
翅の模様が異なって見えますが、個体差の範囲内ということです。

今回は、結局は最初の見立て通りだったのですが、同定の難しさを再確認しました。




 
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