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コラム

2014.11.05 宮ノ下明大
昆虫図鑑にノシメマダラメイガを載せよう

私は図鑑が大好きです。最近は『冬虫夏草生態図鑑』(誠文堂新光社)を買ってしまいました。

ノシメマダラメイガは、専門家用の昆虫図鑑には載っていますが、一般教養用や子供用の学習昆虫図鑑には載っているでしょうか? 本屋に行って確かめてみました。メイガの仲間は紹介されていますが、農業害虫が主で、ノシメマダラメイガが載っている図鑑はありませんでした。

一方、お米の害虫として知られるコクゾウムシはすべての図鑑に載っていました。この違いは何でしょうか。 コクゾウムシは、現在はあまり見なくなりましたが、昔はよく目にする普通の虫で、大害虫だったからでしょう。
一般的な昆虫図鑑に載ってない
ノシメマダラメイガが日本で初めて記録されたのは、松村(1917)のようです。日本に侵入して100年近く経つと考えられます。「害虫としてよく目にする」という指標でみれば、現在ではコクゾウムシよりも上と思われます。

身近な昆虫
私は、この3年の調査で、ノシメマダラメイガは野外に多数生息する身近な昆虫であることを実感しました。 関東以西の地域では、屋外に設置した性フェロモントラップに、4月後半から11月中旬まで、成虫が捕獲されます。冬は幼虫で越冬します。
穀物貯蔵庫や食品工場などの限られた場所に発生する特殊な害虫というイメージは、現実とは合わないのです。

そろそろ、食品害虫の代表として子供用の学習図鑑にもノシメマダラメイガが掲載されていいのではないでしょうか?


目にする機会
ノシメマダラメイガなんて見たことない」と言われる方も多いでしょう。 それには理由があります。成虫は夜間に行動し、光に誘引されることがありません(註釈)
私たちが普段の生活で、成虫を目にする機会はあまりないのです。しかし、一般の家庭でも食品に発生すると、成虫を目にすることになります。そのとき、図鑑が必要になると思うのです。


図鑑向きの昆虫
幸いにもノシメマダラメイガの翅の模様は特徴的です。似た種類が他にいないので、見ただけで種類を特定できる図鑑向きの昆虫といえます。 ウェブ図鑑で十分という考えもあるでしょうが、名前のわからない昆虫を一から調べることには向いていません。
図鑑の蛾のページを見渡した方が、より早く目的の昆虫の名前を特定できるのです。

最近は、安価でハンディ、ユニークな昆虫図鑑が出版されています。 例えば、『イモムシハンドブック②』、『繭ハンドブック』には、ノシメマダラメイガが掲載されています。ただし、成虫が主役ではありません。

註釈:実験環境で成虫が紫外線に誘引されるという論文はあるが、現実的にはライトトラップで捕獲されることはまれである。


 
参考文献
  • 松村松年(1917)『応用昆虫(前篇)』、警醒社書店、東京.
  • 安田 守(2012)『イモムシハンドブック②』、文一総合出版、東京.
  • 三田村 敏正(2013)『繭ハンドブック』、文一総合出版、東京.


 
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