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コラム

2014.11.27 今村太郎
昆虫飼育中に発生するダニ

昆虫を飼育しているとダニに悩まされることがあります。 私たちは貯穀害虫を25℃もしくは30℃、相対湿度70%と貯穀害虫の飼育に適した条件で飼育していますが、この条件はダニにとっても適しており、ときおりダニの大発生があります。

コナダニの仲間(体長約0.5mm)
コナダニの仲間(体長約0.5mm)

こちらはコナダニの仲間です。高湿度の条件を好み、貯穀害虫を新しい餌へ移し替えずに放っておいたときなどに大発生します。 昆虫を相対湿度50%以下の低湿条件に移してしばらく飼育すると大発生は収まります。 直接的に昆虫に害を与えるダニではない点は救いです。


シラミダニの仲間(体長約0.2mm)
シラミダニの仲間(体長約0.2mm)

こちらは飼育容器に貼り付けたセロハンテープにくっついたシラミダニの仲間です。 シラミダニは昆虫寄生性であり、飼育中の昆虫を殺してしまうので、発生した場合、すぐに対応が必要です。低温では増殖率が落ちるようで、10℃でしばらく飼育することによって密度を下げることができます。


シラミダニによる皮膚炎
シラミダニによる皮膚炎

シラミダニのもう一つのやっかいな点は人を刺して皮膚炎を引き起こすことです。 体質にもよるようですが、刺されると炎症を起こして、かなり痒くなります。

コナダニ、シラミダニが発生した場合、このような低湿度や低温による処理が有効なのですが、完全に根絶するのは大変です。 一番簡単な対処法はダニが発生したものを廃棄することですが、そのためには同じ昆虫を複数の飼育室に分けて、できれば飼育のサイクルもずらしておくことが必要です。 ただ、飼育する昆虫の種類が増えると、全ての昆虫でそのような飼育をすることが難しくなります。 また、卵を分離できる昆虫の場合は卵を殺菌消毒剤(オスバンなど)で殺菌・洗浄すると同時にダニ類も取り除けます。 しかし、コクゾウムシなどのように卵を分離できない昆虫で、飼育の都合上、廃棄ができないものにダニが発生した場合には、収まるまで長期戦を強いられることになります。



 
参考文献
  • 井村治(1989)貯穀(貯蔵食品)害虫の飼育法(1)飼育の準備.家屋害虫 11: 126-139.
  • 井村治(1989)貯穀(貯蔵食品)害虫の飼育法(2)飼育の実際.家屋害虫 11: 140-164.
  • 今村太郎・宮ノ下明大(2009)貯蔵食品を加害する蛾類の飼育法.ペストロジー 24: 71-73.


 
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