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コラム

2015.2.5 宮ノ下明大
ペットフードで発育したノシメマダラメイガ

以前のこのコラムで、ペットとして飼われていたネコとインコの体内から、ノシメマダラメイガの幼虫が摘出された珍しい事例を紹介しました。この論文では、鳥の餌に発生した幼虫がインコの脳の表面まで侵入したと推測しています。

多くの文献には、ペットフードはノシメマダラメイガの発生源になると記されています。しかし、それは発生事例として記録されているだけで、具体的なペットフードで発育を調べた論文は見あたりません。

今回は、幼虫のペット体内への侵入が報告された、ネコとインコの乾燥ペットフードを餌として、本当にノシメマダラメイガの発生源になるかを試験した結果を紹介します(宮ノ下ら,2014)。

図1 ネコ用の乾燥ペットフード
ネコ用ペットフードは、乾燥した固形タイプの円盤型(直径1cm・高さ4mm・重さ0、7g)をした体重管理用の製品を使いました(図1)。原材料は、量の多い順に、家禽類(チキン、ターキー)、粗挽きトウモロコシ、粗挽きソルガム、トウモロコシ粉でした。

インコ用ペットフードは、セキセイインコ成鳥用の製品を使いました(図2)。原材料は、量の多い順に、ムキキビ、ムキミレット、ムキオーツムギ等の混合物でした。

試験では、ノシメマダラメイガ孵化後24時間以内の幼虫を、両ペットフードに放ち、温度28℃、湿度70%、明期16時間・暗期8時間の部屋で飼育して、その発育日数と羽化率を記録しました。また、ネコ用ペットフードでは、固形物をつぶした破砕物を用意して、ペットフードの形状が幼虫の発育に与える影響を調べました。

図2 インコ用の乾燥ペットフード
飼育試験の結果を表1に示します。ネコ用ペットフードでは、固形のままでは発育できませんでした。しかし、その破砕物では平均約50日で成虫となり、羽化率は約70%でした。インコ用ペットフードでは、平均約30日で成虫となり、羽化率は約90%でした。ネコ用ペットフードの固形物で発育できなかった理由は、硬くて孵化幼虫の摂食が十分できなかったと思われます。いずれにしても、乾燥ペットフードが家屋内でノシメマダラメイガの発生源となることが示されました。インコ用は、穀物が主成分なので被害を受けやすいと考えられました。ネコ用は、輸送中に破砕された場合や、大量購入して長期間保管することで、固形物が摩擦で破砕物となった場合は、ノシメマダラメイガが発生する可能性があります。

表1 乾燥ペットフードで飼育したノシメマダライガ幼虫の発育日数と羽化率

ペットフードには、イヌ、ネコ、トリなど様々な動物を対象にした多数の製品があります。すべての製品で、今回の結果が当てはまるとは限らず、個々に試験が必要です。



 
参考文献
  • 宮ノ下明大・今村太郎・古井 聡(2014)ネコおよびインコ用の乾燥ペットフードにおけるノシメマダラメイガPlodia interpunctella幼虫の発育.都市有害生物管理4(2):79-82.


 
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