牛肺疫感染動物を摘発・淘汰

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家畜
伝染病

牛、水牛、鹿

特徴

牛肺疫牛肺疫は、牛肺疫マイコプラズマによる急性の致死性感染症で、牛や水牛、鹿の法定伝染病だ。現在、アフリカ大陸を中心に、中東や東南アジアで発生。日本では1940年を最後に発生していない。

急性型では、感染動物は40度を超える発熱と呼吸困難、発咳(はつがい)、鼻汁漏出などの呼吸器症状を示し、食欲や元気を失って死に至る。致死率は若齢牛で比較的高く、50%以上になることもある。

死亡動物には、胸膜肺炎が特徴的に認められ、胸腔(きょうくう)への線維素の析出や胸水の貯留が起こり、肺では特徴的な大理石模様の病変が見られる。感染動物の鼻汁や気管粘液には病原体が大量に含まれ、接触あるいは飛沫(ひまつ)吸入により気道感染するため伝染力は極めて高い。

一方、慢性型では、感染しても臨床症状をほとんど示さず、健康状態、栄養状態、飼養環境の変化などのストレスを受けた場合に発症に至る。これらは保菌動物となり、数カ月間にわたり持続感染し、他の個体へ感染を広げる。


対策

本病の清浄国では、ワクチンによる予防や治療はせず、感染動物の摘発・淘汰(とうた)による防疫を行う。日本では水際検疫などで海外からの侵入防止が図られている。発生時には、特定家畜伝染病防疫指針に基づく防疫措置が実施される。

[写真:牛肺疫における肺の大理石模様の病変(アメリカ合衆国農務省(USDA)提供)]

(動物衛生研究所 宗田吉広)

参考情報

・家畜の監視伝染病 牛肺疫


情報公開日:「家畜疾病図鑑」『日本農業新聞』 2014年2月26日、16面に掲載。

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