炭疽死亡畜の適切処理を

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家畜
伝染病

牛、水牛、鹿、馬、めん羊、山羊、豚、いのしし

特徴

炭疽炭疽(たんそ)菌によって起こる家畜の法定伝染病。家畜や野生動物のほか、人にも感染するなど、人獣共通感染症としても重要な疾病だ。牛、馬、めん羊、山羊などの草食獣は、炭疽菌に対する感受性が高く急性敗血症で死亡するが、豚や犬は比較的抵抗性がある。

感染動物は1~5日で体温が上昇し、眼結膜の充血や、呼吸・脈拍の増数がみられ、さらに進むと、呼吸困難や腎障害を起こして早いものでは発症後24時間以内に死亡する。

死亡した動物は皮下浮腫(ふしゅ)によって体全体が膨らんで鼻孔や肛門からの出血がみられる。血液や体液には菌が含まれているため直接触れないように注意が必要だ。

炭疽は世界各国で発生がみられるが、日本では現在ほとんどない。感染動物の死体や排せつ物に含まれた炭疽菌が死亡畜の処理が適切でない場合に土壌中で抵抗性の芽胞となり長く残留する。炭疽菌は動物から動物へ直接感染することはなく、動物が水や牧草を介して芽胞を摂取することで感染する。


対策

予防には生ワクチンが用いられている。生前に診断されることは少ないため、治療することはない。炭疽が疑われる患畜を発見したら直ちに家畜保健衛生所に届け出ることが重要だ。

炭疽菌は伝播(でんぱ)力が弱いため、死体を迅速に処理すれば続発は防止できる。同居家畜に対しては緊急予防的にペニシリンやテトラサイクリンを注射することがある。

[写真:体内で増殖している炭疽菌 (長さは3~5ミクロン)]

(動物衛生研究所 玉村雪乃)

参考情報

・家畜の監視伝染病 炭疽


情報公開日:「家畜疾病図鑑」『日本農業新聞』 2011年5月25日、16面に掲載。

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