スクレイピーめん羊と山羊のプリオン病

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家畜
伝染病

めん羊、山羊

特徴

スクレイピーめん羊・山羊のスクレイピーは伝達性海綿状脳症(transmissible spongiform encephalopathy; TSE)の一つとして法定伝染病に指定されている。本病の病原体は、宿主の正常プリオンたんぱく質(PrPC)が変化した異常プリオンたんぱく質(PrPSc)で、プリオンとも呼ばれる。

スクレイピーは中枢神経系が障害を受ける疾病であり、致死率は100%に達し、感染から発症までの期間は2~5年以上と長い。発症個体は掻痒(そうよう=かゆみ)、脱毛、歩行障害、削痩(さくそう=やせる)などの症状が次第に強くなり、起立不能に陥って死亡する。しかし、全ての感染動物にこれらの症状が見られるわけではなく、無症状のまま突然死する個体もある。感染動物の脳を顕微鏡で観察すると空胞変性が認められる。また、PrPScが神経系とリンパ組織を中心に蓄積している。

本病はプリオンを含む感染動物の体液や胎盤、またはそれらに汚染された牧草などを介した経口感染により伝達していると考えられる。


対策

有効な予防・治療法はない。プリオンは一般的な消毒薬に抵抗性を示す。感染動物と汚染物は焼却処分する。焼却できない畜舎等については次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度2%)で消毒し、伝播を防止することが重要である。

わが国では、12か月齢以上で死亡または淘汰された個体を対象にサーベイランスが実施されている。

[写真:スクレイピーを発症しためん羊。背から腰にかけて、および右前肢に脱毛が認められる]

(動物衛生研究所 宮澤光太郎)

参考情報

・家畜の監視伝染病 伝達性海綿状脳症
・家畜疾病図鑑Web 伝達性海綿状脳症


情報公開日:2015年4月8日

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