小反芻獣疫東アジアにまで拡大

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家畜
伝染病

めん羊、山羊、鹿

特徴

小反芻獣疫小反芻獣疫(しょうはんすうじゅうえき)は、小反芻獣疫ウイルスによるめん羊や山羊に重篤な下痢や呼吸器症状を起こす伝染力の強い致死性の伝染病である。本病は1942年にコートジボアールで発見され、その後、東アフリカ、中近東、南アジア、中央アジアを含む広い地域に分布していることが分かってきた。これまでにわが国における発生はないが、2014年には中国で本病が全国的に蔓延し、発生地域はカザフスタン国境付近から東沿岸部にまで拡大した。

本病の臨床症状は感染2~7日後に現れ、突然の発熱、元気消失し、透明水様の分泌物が目、鼻、口から出始める。これらは後に膿様の滲出(しんしゅつ)物となる。発症1~2日後には、口や眼の粘膜が赤くなり、やがて口腔内には粘膜上皮の壊死(えし)によるチーズ様物の滲出を伴ったびらんが形成される。発症後2~3日頃からは水様性の下痢や咳を伴った苦しそうな腹式呼吸を呈し、発症後7~10日頃に死亡する。本病は急速に群内に蔓延し、致死率は通常50~80%で、時として90~100%に達することがある。感染家畜の涙、鼻汁、よだれ、糞便中には多量のウイルスが排泄され、主に接触感染により広がる。


対策

有効な治療法はない。汚染国では弱毒生ワクチンを用いるが、わが国では、厳重な検疫、飼養衛生管理基準の励行等により本病の侵入を防いでいる。今後も、海外からの侵入防止に努めることが重要である。

[写真:口腔内に認められたチーズ様滲出物(The International Transboundary Animal Disease Course (ITAD) at the Plum Island Animal Disease Center, USDA Animal and Plant Health Inspection Service’s (APHIS)提供)]

(動物衛生研究所 嶋田伸明)

参考情報

・家畜の監視伝染病 小反芻獣疫


情報公開日:2016年3月9日

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