鳥インフルエンザ小動物の侵入防止を

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家畜
伝染病

鶏、あひる、うずら、きじ、だちょう、ほろほろ鳥、七面鳥

特徴

鳥インフルエンザ鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルスが引き起こす鳥類の疾病である。A型インフルエンザウイルスは無症状の状態で野生の水鳥などが保有しており、家きんの他にも人や豚などにも感染する。鳥インフルエンザウイルスは表面に16種類の赤血球凝集素(H)と9種類のノイラミニダーゼ(N)という酵素を持ち、その組み合わせで亜型に分類される。

上述した鳥インフルエンザについて、家畜伝染病予防法上では、症状の強さ(病原性)とウイルスの亜型によって「法定伝染病の高病原性・低病原性鳥インフルエンザ」(対象家きんは、鶏、あひる、うずら、きじ、だちょう、ほろほろ鳥及び七面鳥)、あるいは「届出伝染病の鳥インフルエンザ」(対象家禽は、鶏、あひる、うずら及び七面鳥)に分類される。

さらに致死率が高い強毒型のものを「高病原性鳥インフルエンザ」、H5およびH7亜型のウイルスで弱毒型のものを「低病原性鳥インフルエンザ」として分類する。

1996年以降、世界中で感染が拡大しているH5亜型高病原性鳥インフルエンザは、日本でも家きんでの発生が多発し、野鳥の感染死亡例も多数報告された。感染鶏の致死率はほぼ100%で、沈うつ、顔面浮腫、とさかと肉垂(にくすい)および脚部が青紫色になるチアノーゼなどが認められるが、中にはチアノーゼが認められないものもある。


対策

感染鶏に対する治療法はなく、法律に従って摘発淘汰(とうた)による防疫が行われる。予防には野鳥や小動物による鶏舎へのウイルス持ち込みを防ぐことや、消毒を徹底するなどの侵入防止対策を徹底する。

感染鶏の早期発見と届け出が感染拡大を阻止する上で重要である。ワクチン接種は防疫を目的とした緊急時を除いては禁止されている。

[写真:感染鶏のとさかと肉垂に見られるチアノーゼ(宮崎県提供)]

(動物衛生研究部門 内田裕子)

参考情報

・家畜の監視伝染病 高病原性鳥インフルエンザ (家畜伝染病)
・家畜の監視伝染病 低病原性鳥インフルエンザ (家畜伝染病)
・家畜の監視伝染病 鳥インフルエンザ (届出伝染病)
・疾病情報 高病原性鳥インフルエンザ
・よくあるご質問 高病原性鳥インフルエンザQ&A


情報公開日:「家畜疾病図鑑」『日本農業新聞』 2011年12月28日、14面に掲載。

情報更新日:2021年3月15日

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