牛伝染性鼻気管炎回復後も神経節に潜伏

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届出
伝染病

牛、水牛

特徴

牛伝染性鼻気管炎一般にIBRとも呼ばれる牛伝染性鼻気管炎は、ウシヘルペスウイルスI型の感染に起因するウシの急性熱性伝染病で、届出伝染病に指定されている。本症の発生は散発的ではあるが全国で見られ、平成27年度には11道府県で14戸、129頭の発生が報告されている。

感染牛は、発熱(40℃~41℃)や鼻汁、泡沫性流延がみられる鼻気管炎、眼瞼の浮腫や充血、流涙がみられる角膜結膜炎、外陰部の発赤腫脹や膣粘膜の充血、膿疱がみられる膿疱性陰門膣炎、雄生殖器の充血腫脹や膿様滲出物の付着がみられる亀頭包皮炎などの多様な症状を示し、発症の程度は動物の状態や飼育環境で大きく変化する。また、妊娠牛では流産を呈する。初乳の摂取がなく、移行抗体を持たない新生子では下痢とともに重篤な鼻気管炎を示し死亡率が高い。

本症は、ウイルスを含む鼻汁、流涙や生殖器由来の分泌物を介して広がり、ウイルスに感染した後2~6日で発症する。また、回復後もウシの神経節にウイルスが潜伏し、輸送や温度の変化、飼養環境の変化などのストレスによってウシが発症して、再活性化したウイルスを排泄するので注意が必要である。


対策

本症の予防方法として、初乳の摂取やワクチンの定期接種、導入牛の隔離観察が有効である。本症に対する治療方法はないが、二次感染を防ぐために抗生物質もしくは炎症を抑えるために消炎剤等を投与する。他の呼吸器病と混合感染することで重篤化するため、日々の衛生管理や飼養管理が重要である。

本症の牛舎内まん延を防止するためには、迅速な発症牛の隔離観察、消毒の徹底、緊急的なワクチン接種が有効であり、各都道府県の家畜保健衛生所でウイルス検査(抗原検出、ウイルス分離、遺伝子診断)が可能である。

[写真:IBR発症牛でみられた膿性鼻汁と流延(栃木県県北家畜保健衛生所提供)]

(動物衛生研究部門 松浦裕一)

参考情報

・家畜の監視伝染病 牛伝染性鼻気管炎


情報公開日:2017年2月8日

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